西洋医療と東洋医療
168390 『成人病の真実』
 
小松由布樹 HP ( 43 岐阜 農業 ) 08/01/03 AM08 【印刷用へ
『医原病』165346の中でも触れられているが、高血圧、高脂血症、糖尿病や、最近ではメタボリック症候群など、いわゆる「生活習慣病=成人病」が増えている。糖尿病だけで700万人、高血圧症にいたっては、未治療患者も含めると3700万人にものぼるとされている。

何故、最近になってこのような成人病が増えてきたのか。
それは、成人病の大多数がまさに「医原病」なのであって、医者や医療が作り出した病気に他ならないからだ。近藤誠氏は、「医原病」のなかでも特に「成人病」の問題について、著書の中で詳しく言及しているので紹介したい。

以下、『成人病の真実』近藤誠著(文藝春秋)のまえがきから引用する。
リンク
------------------------------------------------------------------
日本には高血圧、高コレステロール血症、糖尿病など成人病を指摘された人が何千万人もいます。また大腸や胆嚢のポリープを発見された人も数多い。
そうなると、食事内容に気をつける、病医院へ通って検査を繰り返す、薬を処方されて飲む、といった生活が待っています。また、ポリープがあるといわれた人は、将来がんになるのではないか、と不安な日々を過ごしているはずです。

しかし成人病を指摘されたら、本当にそういう生活を送らねばならないのでしょうか。節制や治療の必要がないものがあるのではないか。病気と考えなくてよいものはないか。そしてポリープは本当にがんになるのか。
本書では、これらの疑問点を徹底的に検証してみました。これまで発表されている医学論文にもとづいて、治療の必要性を再吟味してみたのです。

すると結論は、高血圧、高コレステロール血症、糖尿病などの大部分は治療の必要がないか、病気とみなさなくてよい。ポリープはがんにならない、というものでした。それどころか、がん検診や職場健診などで発見される早期がんでさえも、治療すると寿命がのびるとするデータもなかった。そうなると発見しても、放置しておくという選択肢がでてきます。

成人病といわれるものは総じて、無症状であるのに職場健診や人間ドックで発見されたものであれば、治療の必要がないようです。それどころか、無症状のときに発見された成人病は、治療すると寿命が縮む可能性が高いことがデータで示されています。

それならばなぜ、多くの人が「成人病、イコール、節制や治療が必要」と思いこんできたのか。その原因は、専門家たちの言動にあります。一般の人が成人病概念や治療法について知るのは、かならず専門家たちを通してだからです。専門家たちが「病気だ」「治療だ」といわなければ、一般人は決してそうは思いません。

今回再吟味に用い引用している論文は、これまで医学雑誌に掲載され、だれもが目を通すことができる論文です。つまり専門家たちも、それらの論文を検討する機会があったわけです。そのうえ、今回検討対象とした論文は、それぞれの分野の専門家が熟知しているものが圧倒的多数を占めます。それなのに、これまでと結論が異なるのはなぜか。

その理由は、専門家たちは、自分たちの仕事が減るおそれがある論文は引用しないか、引用しても、論文中の有利なデータ部分を強調し、不利益データに言及しないなど、専門家として恥ずべき、およそ一般人には信じられない蛮行が広く行われてきたからです。そのうえ、データ的根拠が全然ないのに、検査値がこれ以上だったら治療が必要という「基準値」を専門学会が決めてしまう談合体質があります。

結局医者たちは、病気と患者を増やしたいのです。なかには、こうした現状を憂える医者たちもいますが、数が少なくて、大勢に影響を与えません。ともかく、病気と患者を増やしたいからだと考えれば、権威と呼ばれる専門家たちの蛮行はすべて説明できます。またそう考えないと、理解できない行いです。

今後、日本の人口は減り始めるのに、医者の数は増えつづけます。そうなると、医者一人あたりの患者数が減ります。したがって、患者を増やしたいという医者の欲求は強まることはあっても弱まることはない。その結果、検査の「基準値」を操作して、これまで健康とみなしていた状態や人びとを病気のがわに落としていく傾向ももっと強まるでしょう。

日本の医療には、医療事故や薬害事件が頻発しているという別の問題もあります。・・・なかでも、第六章の「インフルエンザ脳症は薬害だった」は重要です。日本だけでウイルスによる脳炎や脳症が多発している、不思議だ、と思っていたら、じつは最大級の薬害事件だったのです。これは日本特有の慣行、すなわち(大人に対してはもちろん)子どもにさえ無頓着に危険な薬や多種類の薬を処方するという(欧米ではみられぬ)医者どもの蛮行が引き起こした悲劇です。
程度の差こそあれ、大人にも同種の薬害が生じているとみて間違いありません。

本書は、成人病はすべて治療をうけるな、すべての検査をうけるな、などと説くものではありません。むしろ、治療をうけたほうがよい場合があることを前提に、どういうときに検査をうけたら得か、どういうものは治療の必要があるかを検討しています。
(引用終わり)
 
  List
  この記事は 165346 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_168390
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
168394 成人病とは「観念の病」である 小松由布樹 08/01/03 AM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp