日本人と縄文体質
167673 Re:外国人から見た日本と日本人(仕事編)
 
芝田琢也 ( 26 兵庫 農業 ) 07/12/23 PM11 【印刷用へ
国際派日本人教養講座
国柄探訪:幸福なる共同体を創る知恵

幕末から明治初期に来日した欧米人たちが見た日本人の幸せな生活。
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●上記メルマガから(仕事編)としていくつかの記事を引用します。
〜以下引用〜

■3.上機嫌な労働者たち■

 他人に対して愛想の良い挨拶をし、微笑みを向ける日本人は、自分の仕事に対しても、上機嫌で取り組む。アメリカの女性旅行作家イライザ・R・シッドモアは、明治20年代の日本を『日本・人力車旅情』の中でこう描いている。

 日も暮れて郊外を走る車夫たちは、いろいろと注意を促すことばを口走って進む。道のわだち、穴、裂け目などがあったり、交差点が近づいたりする時である。こうした叫び声は車列の前から後へと駆け抜けていくが、それはちょっと音楽的でさえある。にこにこして礼儀正しく、愛きょうもある小馬のような車夫。[1,p50]

 つらい仕事をしながらも、上機嫌に愛想良く振る舞う日本の労働者たちの姿は、外国人旅行者たちの興味を引いたようだ。明治11(1878)年に日本を訪れた、オーストリア=ハンガリー帝国の軍人で地理学研究者・グスタフ・クライトナーも同様の光景を描いている。

 荷物を担いでいる人たちは、裸に近い格好だった。肩に竹の支柱をつけ、それにたいへん重い運搬籠を載せているので、その重みで支柱の竹筒が今にも割れそうだった。彼らの身のこなしは、走っているのか歩いているのか見分けのつかない態のものである。汗が日焼けした首筋をしたたり落ちた。しかし、かくも難儀な仕事をしているにもかかわらず、この人たちは常に上機嫌で、気持ちのよい挨拶をしてくれた。彼らは歩きながらも、締めつけられた胸の奥から仕事の歌を口ずさむ。喘ぎながらうたう歌は、左足が地面につく時、右足が大股に踏み出す力を奮(ふる)いたたせる。[1,p54]

■4.労働のリズム■

 仕事に励む我が先人たちの姿をもう一つ紹介しよう。明治初期の東京大学で生物学を講じたエドワード・S・モースの『日本その日その日』から:

 どこへ行っても、都会の町々の騒音の中に、律動的な物音があるのに気づく。日本の労働者は、働く時は唸ったり歌ったりするが、その仕事が、叩いたり、棒や匙でかき廻したり、その他の一様の運動であるとき、それは音調と律動を以て行われる。・・・鍛冶屋の手伝いが使用する金槌は、それぞれ異なる音色を出すように出来ているので、気持ちのよい音が連続して聞こえ、四人の者が間拍子を取って叩くと、それは鐘の一組が鳴っているようである。労働の辛さを、気持ちのよい音か拍子で軽めるとは、面白い国民性である。

 人力車夫のかけ声、荷物を担ぐ人夫の歌、鍛冶屋の金槌を叩くリズム。賑わしい労働の姿がここにある。古事記に登場する神々からして田植えや機織りにいそしんでいるが、それも田植歌や糸繰り唄を歌いながら働いたのであろう。

■5.「陽気の爆発」■

 働く女性の姿も見ておこう。クライトナーが染料の藍(あい)を作る工場を訪れた時のこと。

 工場の建物を出る前に、わたしたちは女工が朝食を食べているところを見物した。およそ100人が、ふだん着姿で、椅子や木机に腰掛けて飯を食べていた。わたしたちが入っていくとひとりの女工が笑い出し、その笑いが隣の子に伝染したかと思うと瞬く間に全体にひろがって、脆い木造建築が揺れるほど、とめどのない大笑いとなった。陽気の爆発は心の底からのものであって、いささかの皮肉も混じっていないことがわかってはいたが、わたしはひどくうろたえてしまった。[1,p52]

 箸がころんでも笑う年頃の娘たちにとって、初めて見る西洋人の姿は、可笑しくて仕方がないものだったのだろう。

 『女工哀史』は一面の事実を伝えていようが、哀しい生活ばかりだったら、こんな心の底からの「陽気の爆発」もありえない。  

 マルクスは19世紀ロンドンの悲惨な労働者階級を見て、階級闘争史観に基づく共産主義思想を生み出したが、同時期の日本の労働者の姿を見ていたら、もっと明るい平和な思想を生み出したかもしれない。

■6.「アングロサクソン人にとっては驚異と羨望の的」■

 働くときでさえ楽しげな日本人は、遊びの時にはもっと上機嫌だ。シッドモアは、花見の光景に目を見張る。

 日曜日は休息日なので、川面は小舟で一杯となり、岸辺では、しかつめらしい表情をした小柄な巡査が花見客の流れを整理する。・・・妙なかぶりもので変装をした男たちを乗せた小舟が次から次へと川堤沿いに、櫓(ろ)やさおで進む。この男たちは、叫んだり、歌ったり、手を叩いたり、三味線をつま弾いたりで、全くの自由奔放----アングロサクソン人にとっては驚異と羨望の的である。

 酒盛りに加わる者は各自、酒びょうたん、つまり小樽を持っていて、これを肩からつるす。ひょうたんの中身を飲み干せば、手持ちのお金と意識がある限り補充する。友人、隣人、赤の他人、だれに向かっても、「一杯いかが」とこの元気づけのアルコールをすすめる。出店も三軒に一軒は酒場だし、どの茶屋の前にも、こもでくるんだ酒樽がピラミッド式に積まれる。[1,p78]

 120年以上も前の光景だが、現代の花見とあまり変わらない。シッドモアは「アングロサクソン人にとっては驚異と羨望の的」と言ったが、最近の在日外国人の間では花見の宴が流行っている、という。

〜続く〜
 
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