環境問題が解決しないのは、何で?
166926 京都議定書で嵌められた日本 3                              『京都会議時点ではなく90年が基準年なのは?』
 
本田真吾 HP ( 壮年 香川 建築家 ) 07/12/12 AM11 【印刷用へ
京都会議は1997年。なんで、それより遡り1990年という中途半端な時期に基準を設定する必要があったのか?例えば、京都会議時やその後の2000年辺りを基準にするのが、普通の合意過程ではないのか?

まして、削減の対象期間は2008年から2012年であり、かつ、温暖化という物理現象からすると、50年から100年(本来は何百年から何千年だと思うが)位のスパンで考える話である。だから、10年遅くなっても誤差でしかない。

ではもし、2000年を基準としたならばどうなるか。(1997年でも大差はないが)先のデータをもとに、シミュレーションしてみると。


16−3 温室効果ガス排出量の推移(OECD Environmental Data Compendium 2004)(リンク)から抜粋。
【】《》〔〕〈〉内は追記。【※2000年を基準に追記内容を変換】


                    (単位 CO2換算 100万t)

国(地域)     1990年  2000年  2001年  2002年
●日本       1,187.3  1,336.7  1,302.3  1,330.8
《 -6%》     【 88%】  【100%】  【 97%】  【100%】< 0%>
●アメリカ合衆国    6,129.1  7,038.3  6,883.9  6,934.6
《 -7%》     【 87%】  【100%】  【 98%】  【 99%】< 1%>
●EU
《 -8%》
イギリス        742.6   647.7   656.2   634.9
〔-12.5%〕    【115%】  【100%】  【101%】  【 98%】< 2%>
ドイツ        1,246.8  1,014.1  1,025.6  1,014.6
〔 -21% 〕    【123%】  【100%】  【101%】  【100%】< 0%>
ルクセンブルク       13.4    9.5    6.1    10.8
〔 -28% 〕    【141%】  【100%】  【 64%】  【114%】<14%>

 【】:2000年(今回設定基準年)比
 《》:1997年京都議定書で決定された削減割合。
 〔〕:京都議定書時のEU内の削減割合
  <> :実態の削減比率(2000年から2002年)

そうすると、各国ともほぼゼロ%スタートになり、削減割合の不均衡は無くなる。つまり、京都議定書の削減目標と実態削減率がほぼイコールになる。そうなると、EU内先進国であるドイツやイギリスは、他の低排出レベルのEU内国家以上に、実質削減努力義務を負うことになる。

この場合、例えばドイツは21%の削減を余儀なくされ、これが実現して初めて京都議定書のEU全体で8%が達成されるわけだ。これは、かなりきつい目標になり、ほぼ達成不可能だろう。

もし、達成できそうも無い場合は、他の低排出レベルのEU内諸国にお金を払って排出権を買い取るなどの方法をとることになる。そうなれば、先進国の不利な状態が顕わになり、今のようなEU一枚岩は実現しなかっただろう。

このように、EUが環境対策に積極的であるというイメージはトリックだったのだ。それを真に受けて、日本だけまじめに、実現性のほとんど無い環境対策を実施しようとしている。その結果として、彼らの市場は潤い、環境破壊はさらに続くのである。

このように、人類のための環境対策なら、身を切ってもいいという日本人の本源性に裏付けられた価値判断は、血も涙もない彼らの戦略によって、完全に踏みにじられている。本当に将来の環境を考えるなら、市場は縮小するしかないのは中学生でもわかる話だ。

だから、このような市場原理を信奉し、更なる市場拡大ために、したたかに闘いを挑んでくる彼らこそが、本当の闘う相手なのだ。戦う相手すらわからず、事実として彼らの環境破壊に加担している、表層観念ボケの環境運動の危険さに早く気づいてもらいたい。
 
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