生命原理・自然の摂理
16644 免疫系と神経系の関係、その2
 
吉国幹雄 ( 48 鹿児島 講師 ) 01/11/20 PM01 【印刷用へ
まだまだ、思いつくままの記述ですが、神経系での免疫(?)について、少し触れます。

ニワトリの胚の中脳胞の部分に、ウズラ胚の中脳胞を移植すると、小脳・中脳・間脳などがウズラ由来のニワトリが作り出される。脳胞キメラ(ウズラ→ニワトリ)を作ったと言うわけです(素人には残酷と思えますが…)。すると…

キメラ動物の行動様式は、ニワトリの形をしているが鳴き声などウズラそっくり。ウズラの行動様式を示す。ところが、生後10数日で死んでしまう!

素人ながら、そりゃそうだろうと直感的に思うのは、進化を無視した人工的な生物が外圧適応できないだろうし、できてほしくないという感情でしょうか。が、この死は重要な意味を持つわけです。つまり、個体の精神的「自己」を支配している脳が、もう一つの自己を規定する免疫系によっていともやすやすと「非自己」として排除されるという意味を持つ。(「自己」「非自己」については、このサイトでも議論したとおり、あいまいな表現ですが…)。
身体的に「自己」を規定しているのは免疫系であって脳ではない。(以上『免疫の意味論』(多田富雄:青土社)

これは、機能の塗り重ねという視点からは、免疫系の進化の方が神経系の進化よりも古い、根源的であるということからも類推できるのですが、16632の役割として、脳は外部適応のためにこそ存在するということと繋がると思います。

ところで、実際に脳内においては、グリア細胞が活発にサイトカインを産生し,免疫系とは異なる中枢神経系の独自のサイトカインネットワークを形成しているようです。神経系での免疫病態を調節しているらしいのです。このグリア細胞は神経細胞と異なり、細胞分裂をし、神経細胞を保護したりするだけでなく、あるものは神経保護的に,あるものは逆に神経細胞傷害を増幅させるように働くようです。(免疫の問題とそっくり)
 
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