親子関係について生物史をたどってみると、もともと単細胞生物から魚類、両生類には、親子を認識する機能すら無く、哺乳類に至っても保育期間を過ぎれば巣立っていくことが普遍構造としてあることが分かった。
翻って、『「親子関係は何より大切」という先入観(2194)』は、どこから生じてきたのか?
現代社会で親子関係が問題になるとき、特に「生みの親」という、血縁関係が重要視される。集団保育、共同保育であれば、自分の親、自分の子といった、血縁にこだわる必要は無く、そこから考えると、私権社会固有の、相続や財産分与、世襲の意味から、親子関係が特別なものになったのではないか。
(そう考えると、私権が無意味化するにつれて、親子関係が希薄化してゆくのは、必然であろう。それでも、自分の親、自分の子、という観念にこだわり続けることから、親元収束やモンスターペアレンツという現象にも繋がっているのではないかと思う。) |
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