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15859 |
4大文明の多元的・同時発生説 |
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岡本誠 ( 47 兵庫 経営管理 ) |
01/11/10 AM02 【】 |
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>(田野さん、15403)中国 長江中流域、城頭山遺跡で中国最古の都市文明の遺構が発見された。(11月3日讀賣新聞)約5000年前の首長儀礼が行なわれた「祭政殿」跡と5300年前の祖霊神をまつった「斎場殿」跡を発見。この事実が本当だとしたら黄河文明に先がけて中国に長江文明が浮上してくる。
田野さん、黄河文明よりも千年以上も前に遡る約5000年前に、長江で中国最初の古代文明が誕生したのは確かなようですね。長江中・下流域では1万1千年前の稲作の証拠も発見されています。
>4大文明をさらに1500年遡る世界最古の文明が中国に発祥していた可能性まで見えてくる。
この記述は何かの勘違いと思います。長江文明が発見されたことで、逆に4大文明がほぼ同時期に誕生したことになります。今まで黄河文明だけが他より1000年以上も新しかったわけです。
4大文明が多元的に同時発生した説を、田野さんも引用されていた安田喜憲氏は『縄文文明の環境』の中で次のように展開されています。
(以下、要約)
>5000年前に人類史を揺るがす気候の寒冷化が発生した。チグリス・ユーフラテス川の上流域に相当するアナトリア高原やザグロス山脈では積雪量が増大し、雪は初夏に大量の雪解け水となって両河の下流域に大洪水をもたらした(これがシュメール人が残したノアの大洪水伝説であろう)。
一方、気候の寒冷化は北緯35度以南では乾燥化を引き起こした。エジプトではナイル川の水位が著しく低下した。草原や砂漠周辺の牧畜民は水を求めてナイル川のほとりに集中した。牧畜民はもともといた麦作農耕民と融合し、ピラミッドとエジプト文明誕生の契機となった。
北緯35度以南に位置するメソポタミアの低地やインダスの河谷でも乾燥化が顕著になり、一斉に文明段階に突入した。
そしてここに、同じく北緯35度以南にあった長江文明が5000年前に誕生していたことが発見され、気候の乾燥化による文明の多元的・同時発生が証明された。黄河文明は始め北緯35度以北で発展し、誕生時期が3500年前と新しかったため、この説には欠陥があったわけです。
このように4大文明は、5000年前の寒冷化→北緯35度以南の乾燥化という、牧畜・農耕にとっては不利な環境条件下で、大河のほとりに人口集中することで文明化したという共通構造があります。
(以上、要約終わり)
恐らくこれは、(エジプトを除き)牧畜民による農耕民に対する略奪闘争→武力権力支配の始まりと考えられます。ただこれ自体はここでの議論ではなく、問題は長江文明が日本へどの程度伝播し定着したか、北方の牧畜民が北海道へ移動したかのどうか、気候寒冷化が日本本土にどんな影響を与えたのかでしょう。
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