生物学を切開する
158357 減数分裂→「老化のリセット」の仕組み
 
西谷文宏 ( 30 和歌山 建築設計 ) 07/08/06 PM01 【印刷用へ
■有性生殖における「老化のリセット」
>「老化と死」が存在する変わりに、減数分裂+有性生殖で、微妙に変異した同類他者(子供)を生み出すことが可能になった。個体が生き続けていくのではなく、(微妙に)変異した同類他者を生み出していくことで、環境適応度を上げていく。(158051

個体が老化→死に向かう一方で、減数分裂→有性生殖によって、変異した新個体が生み出され、新しい生命活動が開始される。この減数分裂→有性生殖の生命システムは、新個体誕生による、「老化のリセット」と言うこともできる。

158051にあるように、減数分裂を行う真核生物の染色体端部には「テロメア」と呼ばれる”分裂時計”が存在し、分裂するごとにテロメアが切断され、一定以上テロメアが短くなると、それ以上分裂できなくなる=老化していく。
ただし、減数分裂によって生殖細胞(精子・卵子)を生み出す生殖幹細胞は、このテロメアを復元するテロメアーゼ酵素を有しているので、分裂限界はなく、この構造によって、新個体に旧個体の老化情報が継承されない仕組みになっている。

個体の老化は、テロメアの切断と言う内的要因以外にも、紫外線や活性酸素等の外的要因により体細胞が劣化・損傷することによっても起こる。
有性生殖による新個体は、このように劣化・損傷=老化した体細胞が引き継がれて形成されるのではなく、保存された生殖細胞の遺伝情報を元に全く新たに形成されている。

つまり、新個体における「老化情報のリセット」とは、”テロメア長に損傷のない生殖細胞の遺伝情報を元にゼロから体細胞を作り上げる”ことによって実現されていると言える。
 
■減数分裂→「老化のリセット」
細胞分裂によって増殖を行う単細胞の場合、環境が変化した場合適応できないだけではなく、外的要因によって体細胞に劣化・損傷が生じた場合、それが分裂によって引き継がれていくことになり、絶滅の危険性が極めて高くなる。

真核生物は減数分裂+有性生殖によって、微妙に変異した「同類他者」を生み出し、環境変化への適応可能性を生み出した。加えて、生殖細胞の減数分裂によって、ゼロから体細胞を作り上げる「老化のリセット」の構造を実現した。これは当然環境への適応性を高める。

総じて減数分裂+有性生殖のシステムとは、「新個体による環境適応性の実現」の為のシステムと言える。
 
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