「奈良の妊婦たらい回しで死亡」報道の背景には、「記者の質がすごく落ちている」リンク という事情があるようです。
>「なあ、最近、君が一番下っ端で駆け回ってた頃に比べて、記者の質がものっすごく劣化しているような気がするんだけど、俺の考えすぎか?」
>友人である報道記者の答えは、とても残念なものだった。彼は顔をしかめ、全面的に僕の問いを肯定したのだ。
>「取材する、と言うことが判っていない。だから、掘り下げることも考えることも突っ込むこともできないし、何が問題なのかさえわからない。記者として非常に低いレベルに安住している」
>「問題は、記者のレベルが落ちただけじゃない」とも言う。ニュース番組までもが経営上の必然から『数字(=視聴率)』を求められるようになり、結果として例えば主戦場である夕方ニュースなどは『在宅している奥様方の興味を引くような内容』にどんどんシフトして行き、現場として「これを伝えなくちゃ報道機関としてダメじゃねーか!」と言うような重要な事案ですら最悪取り上げられず、取り上げられても番組幹部が考えるところの(とは言っても実際視聴率によって裏づけは取れているそうだが)『主婦受け』するようなワカリヤスイ図式に組み替えられたようなものにされてしまうのだそうだ。友人は硬派の報道記者なので「毎日、デスクと喧嘩だよ」と深い深いため息をついた。
という前置きの後、奈良の報道について分析しています。
そこでは、スクープが欲しくて、先入観を持って、突っ走り、検証もせずに報道したという構造が克明に展開されてます。非常に説得力がある分析です。長いので、抜粋だけ引用させていただきます。
>明らかに毎日の記者たちは、「こんな医師がいる、許せない!」と言う声を直接当事者から取ろうとして取材に励んでいるのである。
>どこまで行っても想像の域を出ないのだけれども、僕は亡くなった女性の関係者への取材を終えてからすぐ(多分当日夜)に最終稿の執筆を行い、翌日付の朝刊に掲載されたのだと思っている。
>相当事者のコメントなど最初から取るつもりはなかった――精々アリバイ的に「係争中の事案なのでコメントは差し控える」のひとことだけあれば十分と考えていたのではないかと疑っている。
>これが毎日が大見出しで「6時間放置」「19病院たらいまわし」「CT検査の要求受け容れず」云々の存在しない事実を書き立てることになった最大の原因だろう。
記者(取材団)は、結局のところ、遺族側の話しか聞いていないのである。遺族側の主観によって描写された事案の経緯しか手元にないにもかかわらず、その裏づけを取ることなくセンセーショナルな見出しをつけて記事を出した。
>毎日新聞奈良支局の取材チームが、亡くなった女性の医療記録を確認し、その記載内容の意味を理解していたならば、つまり病院側(医師側)から見た事案の経過も承知していたならば、絶対に初報のような記事になるはずがないのである。 |
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