暴走する悪徳エリートの所業
152924 朝日新聞社による日本教育テレビ(現テレビ朝日)の支配
 
村田貞雄 ( 60 静岡 企画 ) 07/05/28 PM10 【印刷用へ
新聞社と東京キー局(東京のテレビ局)の系列化は、1973年に完成する。

読売新聞・日本テレビ、産経新聞・フジテレビ、朝日新聞・テレビ朝日、日経新聞・テレビ東京。毎日新聞とTBSの関係はやや希薄。

この新聞社・テレビ局のメディアコングロマリットを形成する際に、朝日新聞社は、非常に政治的な動きをする。

以下、「新聞社・破綻したビジネスモデル」(河内孝著・新潮新書)から、その部分を引用します。

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新聞、テレビの一体化と世論工作

朝日新聞がNET(後のテレビ朝日)を支配できたのは、偶然のような幸運と、その後の必死な政治工作の成果でした。

57年11月、資本金12億円で日本教育テレビが発足したときの筆頭株主は、テレビ進出で遅れをとった日経新聞でした。保有株式は、子会社の日本短波と一緒に49万9000株。続いて東映20万株、旺文社11万4000株。朝日新聞は自社では4万株、九州朝日放送の10万株を足しても、支配権を得ることにはほど遠い存在だったのです。

ところが65年、二期四年ごとに東映と旺文社で交代していた社長人事を赤尾好夫旺文社社長が守らなかったために、大川博東映社長との間で抗争が起きます。大川は、問題を同郷の田中角栄に持ち込みます。

朝日新聞もOBの橋本登美三郎自民党総務会長や、モスクワ・オリンピックの放映権独占で知られる政治部OBの三浦甲子二(キネジ)らが奔走します。田中は65〜66年と68年〜71年まで自民党幹事長。首相の座を目前に、脂が乗り切っていました。朝日と密接に連絡をとる一方、大川はNET株の買占めを進め、その半数を朝日に譲渡。抗争は、旺文社・日経対東映・朝日の構図で泥仕合の様相を見せながら、双方とも過半数を握れずにらみ合いが続きます。最近のTBS対楽天の争いと大して違いません。

このとき田中は、もう一つの在京局の経営状態を注視していました。開局5年で52億円の赤字を出し、資本超過に陥った東京12チャンネルです。同局は、全国ネットワーク化の流れにも乗れず、科学技術教育番組を60%、教育・教養番組を20%放送しなくてはいけない、という足かせのため、視聴率競争に加わることすらできずにいたのです。同局の発起人だった植村甲午郎、五島昇、小坂徳三郎ら財界人も困りはてて田中に助けをもとめました。

68年秋、満を持した田中の裁定構想がまとまります。「12チャンネルは財団から株式会社にした上で、NETとともに一般局とする(教育、教養番組時間枠の規制を外す)。朝日が出資した12チャンネルの財団債と日経の所有するNET株を交換し、NET=朝日、12チャンネル=日経で再編成する」。

(途中省略)

日経は自らと日本短波放送が保有する株式を朝日と旺文社に折半譲渡(正式契約は74年2月)。これにより朝日のNET株保有比率が30%を超え、念願の支配権を確立しました。

73年11月1日、電波審議会はNETと東京12チャンネルの一般局移行を決定しました。
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実は、日本教育テレビ(NET)も、「教育番組を50%以上、教養番組を30%以上放送すること」が電波免許の条件であり、この制限をなくしたかった。

朝日新聞社は、NETのお家騒動に付け入り、政治力を使い、全国ネットワーク化が進みつつあったNETを手中にし、合わせて、教育テレビ局から娯楽テレビ局への転換を一気に進めた。

世に流布していた「良識の朝日」が、如何に欺瞞であるかが分かります。

 
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