健康と食と医
152278 環境問題の本質は事実が闇の中という問題。(環境ホルモンの事例から)
 
田野健 HP ( 46 兵庫 設計業 ) 07/05/22 AM09 【印刷用へ
大気汚染・水質汚染の環境問題はぜんそくやアトピーなどの肉体への影響を引き起こすが、それらと比較にならないくらい大きな問題が環境ホルモンの問題である。

大気汚染・水質汚染の結果、魚や貝が汚染物質を体内に蓄積しそれを食した人に環境ホルモンという物質が蓄積していく。また人口物質であるプラスチックからの溶出も指摘されており環境ホルモンとは主にDDT、PCB、ダイオキシン、ビスフェノールAなどの化学物質を指し、環境庁では70種類の原因物質を指定している。
それらの物質は体内に取り込まれると女性ホルモンの一種であるエストロゲンと同様の作用をするとされており、具体的には精子半減や発がん性等の肉体破壊、行動異常等の精神破壊などを引き起こす可能性が高くなるとされている。

精子半減についてはすでにいくつかの機関で調査されて報告されており、最も信憑性の高い慶応大学の調査によると、70年と90年の調査比較(18歳〜25歳6048人)では精子数は6500万個/mlから5700万個/mlと15%減少している。運動率は75%になっている。

また環境ホルモンの問題を世界中に拡げたコルボーンの仮説よると、デンマークの調査における成人男性の1回の射精による精液量は1938年当時の平均3.40ccから90年には2.75ccにへった。同じ間に精子の数は、精液1cc中1億1300万個から6600万個に半減したとされている。

また帝京大学の調査では20台の男性は40台の男性の約半分の4600万個/mlというデータも示されている。同じ帝京大学の学生34人を調べた結果生殖可能な精子数の2000万個を超えていたのはわずかに1名というショッキングな報告もある。

WHOの基準値では、精液の量が2ml以上、精子の濃度が2000万個/ml以上、直進運動する精子の率(運動率)が50%以上、正常な形の精子の率が30%以上、精子の生存率が75%以上と定められ、どれかが下回ると不妊のおそれがあるとされるという。

環境ホルモンの影響の恐ろしさは以下の言葉に凝縮されている。130443
・種の存続、生活の質、世代を超えて影響し、微量でも起こるのではないかと考えられている。
・環境ホルモンは生物濃縮が大きな意味を持つことから食物連鎖の上位がより危険性が増幅されるという構造にある。

そしてこれらの問題は1962年にアメリカの学者によって発表され明るみに出、さらに96年「奪われし未来」で世界に広まった。しかしその後の国や企業の調査により関連性が証明されないとして平成10年を最後に新聞紙上や書籍から姿を消している。

環境問題がなぜ問題かはこのように仮説が出ては消えていく国家や市場ぐるみの隠蔽構造にある。関連性が証明されないという事と安全性が確保される事は別の次元の話である。

最後に平成10年に環境庁から出された報告書を掲載しておく。
>環境庁の平成10年度ダイオキシン類蓄積調査で、日本人男性の精子の形成能力は過去20年間大きく変わっていないとみられることが分かった。この調査は、78〜98年の20年間に行政解剖された男性697人(20〜69歳)の精巣組織を分析したもの。その結果、精子形成不全合は、若年:14%、中年以降:30%前後でほぼ一定。正常が78年で57.3%、98年で58.9%。

環境ホルモンの精子半減の話が常に精子数で報告されてきたのに対し精子形成能力という別のファクターを用いてきた事に疑わしさを感じる。そしてこの声名をもって環境ホルモンの問題は水面下に送られた。

環境ホルモンへの規制は現在、ほとんど進行していない。

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