生物の起源と歴史
151029 タミフルの薬理作用−1
 
「るいネット」ファン 07/05/05 PM10 【印刷用へ
リンク より

インフルエンザウイルスは、赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)とを有している。

赤血球凝集素(HA:ヘマグルチニン)は、ウイルスが宿主細胞に侵入する際に必要
ウイルスは、赤血球凝集素(HA)を介して、宿主細胞のウイルス受容体(シアル酸を含む糖鎖)に結合する。

ノイラミニダーゼ(NA)は、ウイルスが宿主細胞から遊離する際に必要
宿主細胞内で増殖したウイルスは、ノイラミニダーゼ(NA)により、ウイルスの赤血球凝集素(HA)と宿主細胞のウイルス受容体との結合を外す。

抗インフルエンザウイルス薬のオセルタミビル(商品名:タミフル)は、ウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を阻害し、新しく細胞内で増殖して形成されたインフルエンザウイルスが、細胞外に遊離・放出されること(発芽)を抑制し、ウイルスの増殖を抑制する。


リン酸オセルタミビル(タミフル)は、プロドラッグであり、代謝により活性体に変換され、活性体(Ro64-0802)となる。

インフルエンザウイルスは、表面のヘマグルチニン(HA)を介して、宿主の呼吸気道の上皮細胞のシアル酸に結合し、宿主の細胞に感染する。インフルエンザウイルスは、宿主細胞内で、RNA鎖をもとに、複製し、宿主細胞から、発芽(出芽)し、遊離する。複製された(増殖した)インフルエンザウイルスが、宿主の細胞から、発芽・遊離する際に、インフルエンザウイルスは、ノイラミニダーゼ(NA)により、シアル酸を破壊し、発芽・遊離を促進させる。

リン酸オセルタミビルの活性体は、ヒトA型、及び、B型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)を、選択的に阻害し、新しく形成されたインフルエンザウイルスが感染細胞から遊離すること(発芽)を阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。

インフルエンザウイルスは、タミフルにより、ノイラミニダーゼ(NA)を阻害されると、感染し増殖した宿主細胞から遊離出来ず、ウイルス同士が凝集してしまい、他の宿主細胞に感染して増殖出来なくなる(タミフルは、細菌を殺す抗生剤のように、ウイルスを殺すのではないので、ウイルスは、残存する)。

タミフル(オセルタミビル)は、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ活性部位(NA活性部位)に結合する(高い親和性がある)。

タミフル(オセルタミビル)は、プロドラッグとして、生体への吸収効率を良くしてある(タミフル自体に、生理活性はない)。タミフルは、肝臓で、酵素により分解され、生理活性(インフルエンザウイルス増殖抑制効果)を有する活性体に、変換される。タミフルの活性体が、インフルエンザウイルスが増殖する組織に移行し、高い生理活性を示す。活性体自体は、吸収効率が悪い為、直接内服しても、体内には、微量しか吸収されない。

引用以上

*プロドラッグとは リンク より
人間の体は自らの健康を保つべく、様々な機能を駆使して外界からの異物を排除しようとします。細菌やウィルスなどは免疫という仕組みによって排除されることはよく知られています。他方、有機化合物の排除の仕組みも備わっています。それが薬物代謝→排泄というプロセスです。代謝過程では生体酵素によって薬物が排泄されやすい構造に変換されます。その後、尿などで排泄されます(消化の逆バージョンを想像して下さい)。 この代謝過程により、通常の薬物は、薬効のある構造から無い構造に変換されてしまいます。すなわち代謝を受けやすい薬ほど作用持続時間が短いことになります。
 
医薬品は人間の役に立つ、というのはあくまで人間的な視点であって、生体内に入った薬は原則として異物扱いされる、ということを覚えておいて下さい。

これに対し、プロドラッグは生体の代謝機構を逆手にとり、もとのままの形では薬作用を示さず、生体内で代謝されることで、初めて薬理活性を示すように化学修飾を施した薬なのです。

引用以上
 
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