原猿→真猿への進化過程での集団形態の変遷を示す資料です。
T原猿
1)雌撃退系:ポト(西・中央アフリカ)リンク
単独生活を行なう。縄張り侵入者は同性は撃退するが異性は受容し、オス縄張りは複数のメス縄張りを包含。雄は自縄張り内のメスに他の雄が近づくのを撃退(一夫多妻型)。雌も自縄張内に他の雌が近づくのを撃退(母娘関係でも同様)
2)血縁関係にある雌許容系:ショウガラゴ(アフリカ一帯)リンク リンク
単独生活を行い縄張り様式はポトと同様。ポトと異なる点は、雌同士が血縁(母娘、姉妹)は撃退せず許容、昼は同じ木を寝場所にすることもあるという点。また、若雄は当初縄張りを持たず放浪、老齢オスとの交代などにより縄張り(+メス)を獲得する。
3)雄許容系:ワオキツネザル(マダガスカル)リンク リンク
数〜20数頭の群れ(母系血縁集団)をなし生活する。同性間には序列があり、最優位の雄は雌たちの近くにいることが多い。雄は、3歳頃になると2〜3頭で他の群れを訪問するようになる。初めは先住雄に追い払われるが、次第にその群に溶け込んでいく。群れ同志は排他的関係にある。
U真猿
4)母系:ニホンザル リンク
1つの群れに複数の雄雌を含む複雄複雌型。雌は基本的に一生生まれた群で生活。雄は、4〜5年で生まれた群を離れる。群れの数は10〜70頭前後。
群れのまとまりの中心は、雌とその子供の血縁関係で、グルーミング等の親和行為の多くは血縁個体間で行なわれる。一方、集団内雄間
には優劣順位システムが存在し、順位の上の雄が多くの雌と交尾を行なう。また、雄間でもマウンティングやグルーミングによる親和行為が認められる。
集団間同士が接触すると、縄張り闘争が行なわれる。闘争に敗れた群れは縄張り縮小され、それまで食べていた食物が食べれなくなる場合もある。
5)父系:チンパンジー リンク リンク
複雄複雌型。メスは性成熟すると生まれた群れから別の群れに移籍。雄同士は、群れ内では血縁同士であり、結びつきが強いが、その反面、所属以外の雄同士は排斥しあう。
狩の9割を集団で行い、貢献度に従った肉の分配も観察される。
集団内の雄間には、明確な順位が存在し、順位毎の役割が存在する。
131008
参考文献:「サルの百科」データハウス、
「ホミニゼーション」京大学術出版会
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