暴走する悪徳エリートの所業
150757 集団化した哺乳類は「母系」が主流です
 
岩井裕介 ( 35 山口 再開発プランナー ) 07/05/02 PM04 【印刷用へ
> 「これが母系集団で、それは哺乳類の摂理ともいえる」などという内容のものがあるが、雌雄の生態は哺乳類の中でも個々の種によって様々で、このように単純化した表現は間違っている。
(週刊朝日からの質問状150312)

元投稿および補正・補足・回答の主旨に即し、哺乳類〜人類までの集団は母系なのか否かor母系集団は哺乳類の摂理と言えるのか否かに関して述べます。

※「母系」とは、雌(母方)の血筋によって集団が継承されること。集団で生まれた子どものうち、雌は出自集団に残留し、雄は一定成長すると出自集団を離れ他集団に移籍する集団形態です。「父系」はその逆です。


哺乳類の雌雄生態・集団形態は、概ね「単体型・単雄単雌型」「単雄複雌型」「複雄複雌型」の3型に分類できると思われます。

「単体型・単雄単雌型」
単体型は、雄も雌も単独行動が基本で、生殖期のみ雄と雌が一緒になる。現哺乳類では、食肉類のネコ科の動物をはじめ多数の事例があるが、霊長類の中では夜行性原猿類の多くやオランウータンが知られている。
単雄単雌型(つがい)は、霊長類の中ではごく少数派だが、昼行性原猿類の一部やテナガザルが知られている。
これらの場合、子どもは雄も雌も親から離れ、母系によっても父系によっても集団が継承されることがない。つまり、単体型・単雄単雌型いずれも、母系でも父系でもない。

「単雄複雌型」
一頭の雄と複数の雌(と子どもたち)からなる単雄複雌型の集団(群れ)は、有蹄類をはじめ多数の種に見られる。
霊長類では、旧世界ザルの大半がこれに該当する。集団のただ一頭の成体雄は数年に一度、外の雄との入れ替わる。集団内で生まれた雄は成長すると集団を離れ他集団に加入するが、雌は原則として出自集団を離れることはなく、一つの集団は「母系」によって継承される。
ゴリラは、単雄複雌型だが母系ではない。子どもは、雄も雌も出自集団を離れるため、基本的に集団の継承性はないと考えられている。

「複雄複雌型」
複数の雄と複数の雌(と子どもたち)からなる複雄複雌型の集団(群れ)は、霊長類と社会性のある肉食獣に限られると言われる。
霊長類では、旧世界ザルのマカク属、ヒヒ属、新世界ザルのオマキザル、リスザル、原猿類のワオキツネザルなどが知られている。そのほとんどが、母系の集団構造を持つ(ニホンザルの母系社会は典型)。集団内で生まれた雄は集団を離れ他集団に加入するが、雌は原則として出自集団を離れることはなく、一つの集団は「母系」によって継承される。
例外的にチンパンジーは、複雄複雌型で「父系」の集団構造を持つ。雌は成長すると出自集団を離れるが、チンパンジーでは雄が集団を離れることはなく、出自を同じくする雄たちの強い絆が集団の核をなす。


上記は主に霊長類の事例をもとに述べましたが、集団化したサル社会ではそのほとんどが「母系」であり、また、哺乳類一般で言っても、「単体型・単雄単雌型」「単雄複雌型」「複雄複雌型」それぞれありますが、集団化した種では、母系が主流です。(ライオン、ゾウ、シマウマ、シカ、イノシシ、クジラ等々)

したがって、集団化(集団の継承)の道を歩んだ哺乳類の主流は「母系」であると言って差し支えないと考えられます。

父系集団を構成するようになったのは、チンパンジーやリカオン(イヌ科の一種)等、ごく一部の種だけです。

つまり、「雌雄の生態は哺乳類の中でも個々の種によって様々」である点は一面の事実ですが、「集団哺乳類は母系の集団構造を持つものが圧倒的主流である」ことに対する反論としては成立しません。
 
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