共同体社会の実現
149672 “ニート”・・・自分発の『必要か否か?』では活力衰弱するばかり
 
越見源 ( 43 大阪 都市計画 ) 07/04/18 PM07 【印刷用へ
内田樹氏の『下流志向』に、ニートが増える要因として以下のようなくだりがある。


>ニート問題の最大の難点は、経済合理性の貫徹されているために、自分たちのライフスタイルを彼ら自身が「合理的」だと思っていることなのです。

>働いて安い給料を受け取る「不快」より、働かないで親の愚痴られたり、近所の目を気にする程度の「不快」の方が軽微であると判断したからこそ、ニートという生き方が選択されているんです。


非常に面白いのは、客観的には“ニート≒ひきこもり”・・・活力衰弱の極致であり、社会のぶら下がりでもあり、どう見ても社会的な大問題であることは間違い無いが、当人達の頭の中ではそれが“合理的な判断”の結果であると分析されている点。
その意味では・・・


>「私権だけが絶対的に必要」(従って、たいしても必要か否かの判断は一切無用)(『超国家・超市場論24』33995


という私権人類特有のいびつな判断軸が衰弱し、代わって『必要か否か?』のまっとうな判断の土俵が生起してきた結果・・・と言えないこともないように思える。
しかし・・・


>「自己決定したことには自己責任がある」というロジックこそがニートを作り出した・・・

>彼らが幼児のときに最初に刷り込まれた「消費主体としてのアイデンティティ」を根本から揺り動かすような精神的な経験がなければ、ニートという生き方は多分変わらない。
(『下流志向』より)


この判断の背景にあるのは、幼児期の最初の社会体験が(「労働主体」ではなく)「消費主体」であったことからくる、あくまで自分にとって交換取引上“得か損か?”という判断であり、更に、国家ぐるみで推し進められてきた「自己決定・自己責任論」の後押しを受けたもの(オレが好きで選んだ道なんだからほっといてくれ!)である点において決定的な問題性を孕んでいる。

つまり、“まっとうな”『必要か否か?』の判断とは、あくまでも・・・


>すべての生物に備わっている不可欠の生存機能(33995


換言すれば「外圧適応機能」であり、集団・社会的存在たる人類にとっては、いかに“みんな”にとって必要or有用であり、より広く共認形成が図れるか?が重要であるのに対し、彼らニート達の思考回路は、市場主義による染脳の結果、徹頭徹尾“自分・自己・オレ”を中心に置いた自己中である点で明らかにズレている。

・・・だから、とことん活力衰弱し、好んで下方へと逃亡し、気づいた時には取り返しのつかないことになっているという現実に気づきもしないのである。
 
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