歴史データ
149323 日本の公害の歴史〜アスベスト
 
星埜洋 ( 47 東京 企画 ) 07/04/14 AM03 【印刷用へ
アスベスト(石綿)は、断熱材などの建材や日用品に幅広く利用されてきた材料であるが、細い繊維からなるその性質が健康被害をもたらすことがわかり、規制されるようになった。

●アスベストの概要(ウィキペディアより抜粋・整理)
・アスベスト(石綿)はWHOの付属機関IARCにより発癌性がある(Group1)と勧告されている。アスベストは、肺線維症、肺がんの他、稀な腫瘍である悪性中皮腫の原因になるとされている。
・アスベストはそれ自体が問題ではなく、高濃度に飛び散ること、長期にわたって大量に吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られている。
・環境省では、建築物の解体によるアスベストの排出量が2020年から2040年頃にピークを迎えると予測している。

●アスベストの歴史
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●アスベスト問題の歴史経緯(ウィキペディアより整理)
1938年:アスベストと肺ガンの関係についてドイツの新聞が公表。 ナチス・ドイツはすぐに対応し、アスベスト工場への換気装置の導入、労働者に対する補償を義務づけた。しかし、ナチス時代の研究は第二次世界大戦後無視されていた。
1964年:空気中の大量のアスベストが人体に有害であることを指摘した論文公開。
1973年:アスベストの製造者責任を認定。訴訟多発。
1975年:吹き付けアスベストの使用禁止。(日本)
1985年:アメリカのマンビル社に対する訴訟が、85年までに3万件に達した。マンビル社自体も1981年の段階で被害者への補償金額が3,500万ドルを超え、最終的な賠償金の総額が20億ドルに達することが推定されたため、同社は1982年に計画倒産。
2004年:石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止される。(日本)
大気汚染防止法で、特定粉じんとして工場・事業場からの排出発生規制。廃棄物処理法で、飛散性の石綿の廃棄物は、一般の産業廃棄物よりも厳重な管理が必要となる特別管理産業廃棄物に指定。(日本)
2005年:関係労働者の健康障害防止対策の充実を図るため、石綿障害予防規則施行。
2005年:アスベスト原料やアスベストを使用した資材を製造していたニチアス、クボタで製造に携わっていた従業員やその家族など多くの人間が死亡していたことが報道される。2005年7月29日付けで厚生労働省から平成11年度から16年度までの間に、全国の労働基準監督署において石綿による肺がんや、中皮腫の労災認定を受けた労働者が所属していた事業場に関する一覧表が公表された。
日本政府は2005年6月にクボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)で周辺の一般住民に被害が及んだと言われたことを重視して新法成立を推進。
2006年:参議院本会議は、「石綿による健康被害の救済に関する法律」と被害防止のため石綿の除去を進める関連3法(改正法)を可決・成立した。これにともない厚生労働省は、中皮腫や肺癌の認定基準を政令で定め、同時に保健所などで被害者の給付申請を受け付けの準備に着手する。

「年表〜アスベストをめぐる動き」がさらに詳しい。
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●アスベストによると思われる死者数
アスベストを使用した製品の製造工程、作業に従事した従業員の健康被害(特に死亡例)が、2005年6月末頃からにわかに日本国内のマスコミに報道されるところとなり広く知られることとなった。

※2005年7月7日現在で報道されたもの

旭硝子:1人
ウベボード(宇部興産の子会社):6人
エーアンドエーマテリアル:6人
クボタ:58人
太平洋セメント(旧秩父セメント):16人
ニチアス(旧日本アスベスト):86人
日本インシュレーション:8人
日本バルカー工業(関連会社含む):20人
ノザワ:5人
三菱マテリアル建材(三菱マテリアル系):2人
ほか4社:計5人
※その後、新たに社名が報道されたもの
リゾートソリューション(旧ミサワリゾート):12人
中谷商店(ニチアスの子会社):1人
竜田工業(ニチアスの子会社):9人
ニチアスセラテック(ニチアスの子会社)の前身:4人
日清紡:2人
日本ピラー工業:1人
神島化学工業:1人
住友重機械工業:14人
ユニバーサル造船
旧JFEエンジニアリング:7人
旧日立造船:3人
川崎重工業:1人
日本通運:3人
日立化成工業:1人
東京ガス:1人
マツダ:2人
富士重工業:1人
日立製作所:3人
東日本旅客鉄道:1人
石川島播磨重工業:20人
三菱重工業:21人
三菱ふそうトラック・バス:1人
上記の被害者は主として大企業でのデータである。

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●アスベストに関する報道は以下から
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