原始共同体社会
148820 アボリジニーの「スキンネーム」
 
HAYABUSA ( 30代 東京 ) 07/04/06 PM11 【印刷用へ
オーストラリアの先住民、アボリジニーについて調べていて、興味深い内容を見つけました。
それは彼らが規範としてもつ「スキンネーム」というシステム。

アボリジニーのグリンジという言語集団で生活した人(日本人)のレポートを引用し、その説明に代えます。

(以下引用)

「『グリンジの人々を訪ねる 』リンク
〜前半部略〜 
言葉を必死に学んでいると、しばらくして「ジャバラ」という名前を与えられた。グリンジ社会では、それぞれの固有名とは別に、皆がスキンネームと呼ばれるもう一つの名前をもつ。スキンネームは、男性に八種類、女性に八種類の合計一六種類に限定されている。「ジャバラ」は、こうした名前の一つだ。通常、自分のスキンネームは、両親のスキンネームによって決まる。例えばジャバラはジュラマを父にもち、ナナクが母である。ニマラは僕の姉妹でナニリは僕の妻だ。するとどうなるか。ダグラグ村のすべてのジャバラは僕の兄弟であり、すべてのジュラマは僕の父だ。すべてのナニリは僕の形式的な妻となる。「実際の妻」はナニリの中から選ばれる。

こうして、社会全体が緊密な親族の網の目によって結びつく。興味深いのは、一六種類の名前のあいだで、相互依存的な権利と義務の関係が生まれる点である。例えばジャバラは、ナニリにはいろいろと要求できるが、ナニリの母であるナンガラには、話しかけることすら許されない。男女それぞれ八種類のスキンネームは、世代が変わることで循環するようになっているから、どの人物にも、必ず自分が要求する権利をもつスキンネームの集団があり、逆に自分が命令に従わなければならないスキンネームの集団がある。結果として、どの集団も社会全体に対して絶対的な権威をもつことができない。中央集権的な政治機構をもたずに、社会運営が行なわれる。権力が一ヶ所に集中することがない、このアボリジニ独自の親族‐政治システムは、長いあいだ人類学者の関心を引いてきた。これを国連で採用してみてはどうだろう、と思うのだが。」

(引用以上)

なかなか興味深い規範だと思います。
集団の内外を問わず、色々な効用が期待できそうですね。
いかがでしょうか?
 
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