環境破壊
147556 『二酸化炭素より原子力の方が安全なの?』は、どちらも危ない
 
本田真吾 HP ( 50 香川 建築家 ) 07/03/19 PM09 【印刷用へ
>地球温暖化防止のために二酸化炭素排出量を減らさないといけない。
しょうがないから、その分のエネルギーを補うために原子力に移行して行ってると思うのですが、それって二酸化炭素より危険な感じがするけど大丈夫なんでしょうか?(146975

結構複雑な問題です。一つ一つ考えていくと

>地球温暖化防止のために二酸化炭素排出量を減らさないといけない。(146975

これ自体も正確ではありません。近年の地球温暖化は、測定結果を読み取ると事実と認定できるでしょう。しかし、その原因を、二酸化炭素と断定するには矛盾が多いという状況です。

ここで、二酸化炭素温暖化説を簡単に説明すると、

地球の温度を決めているのは、太陽エネルギーである。そのエネルギーが地球に入った分、外にも出て入いっているから、地球の温度は一定値を保っている。その出ていく方を妨げるのが、二酸化炭素のバリアーである。そうすると、二酸化炭素が増えると温度が上がる。よって、二酸化炭素を減らさないといけない。という論理です。

ところが、二酸化炭素が妨げる、地球から出て行く熱エネルギーは、多くの波長の中でも、非常に狭い範囲の波長に限られていています。かつ、かなり昔から遮蔽するに充分な濃度になっていて、これ以上増えても遮蔽量はあまり変わらないというのが結構有力な説です。

しかし、温暖化はしている。

ここで、温暖化の原因としては、自然サイクル説と人間の過剰な生産の結果説とに分かれます。そして、この数世紀の生産性の急上昇や、無分別な生産がその他の環境問題を引き起こしておるという事実からも、後者の説の方が有力です。

また、追求の結果、例え自然サイクル説の法が正しいという結果が出たとしても、今人類の過剰生産問題を考えるというのは、人類の未来を考える上で、重要だと思います。

その際に、過剰生産と二酸化炭素の排出量は、大きく正の相関関係にあります。だから、間接的指標として、二酸化炭素を用い、『過剰生産を抑える』ならば、温暖化防止に寄与出る可能性が高いのです。

ところが、過剰生産を抑えるという最重要な課題は、二酸化炭素だけが原因という根拠希薄な論理にすり替えられ、過剰生産はそのままにして、二酸化炭素を減らす技術を開発するという、本末転倒の流れを作り出しています。

しかし、その技術もよく調べてみると、それらの製品を作り出し、設置し、維持管理する総エネルギー量は、たとえば旧い火力発電所で電気を起こすより、遥かに増大しています。風力発電・太陽光発電・そして原子力発電も同じです。

だから、多くの環境改善技術とは、製品を作るまでや、維持管理の費用をのぞいて、省エネとかクリーンエネルギーといっているに過ぎません。しかし、その幻想価値は、先進国の市場制覇に大きく貢献するのです。

ということで、

>しょうがないから、その分のエネルギーを補うために原子力に移行して行ってると思うのですが、それって二酸化炭素より危険な感じがするけど大丈夫なんでしょうか?(146975

原子力の方が、トータル、より二酸化炭素を多くだすというのが事実です。現にその非効率性(≒二酸化炭素を多く出す。)を補う為に莫大な国の支援があり、その上で今の電力料金は成り立っています。それを、都合のいい宣伝によって、クリーンエネルギーと言っているだけです。

そして、日本も含めて、原発の安全性は、スリーマイル島やチェルノブイリと同等です。日本は技術的に大丈夫という発表をよくみますが、その意味は、上記の事故のような状態は起こらないように設計しているという意味で、同じ状況の反応が起これば防ぎようがないという事を意味しています。

端的いうと、スリーマイル島やチェルノブイリで起こった、急激な反応は想定していないから、そうなった場合は同じような事故になるということです。ところで、上記の2件についても、予測できなかった想定外の事故でした。これで原発が安全なわけはないですね。

 
  List
  この記事は 146975 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_147556
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
168339 ウラン価格が20年ぶりに高水準に。国際金融資本家の刈り取りが始まったか!? 麻丘東出 08/01/02 AM11
157379 科学信仰と過信の幻想の崩壊〜中越沖地震での東京電力・柏崎刈羽原子力発電所事故より〜 彗星 07/07/22 AM11
152225 温暖化の要因と本当の問題について 1 本田真吾 07/05/21 PM05
148539 日本の環境放射能と放射線 てんてん 07/04/02 AM05
148281 「環境問題=生存圧力⇒科学技術で克服」は旧パラダイム 野村徹 07/03/30 AM00
リサイクル問題における狂った感覚 「Trend Review」 07/03/29 PM10
石油利権は反米諸国に移された 「Trend Review」 07/03/22 PM10

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
ゴリラ、テナガザル、オランウータンと人類
サルからヒトへの足の指の変異:『地上生活順応説』には物証もなければ論理的反証が多すぎる
ヒトはいつから言葉を話し始めたのか(2)
人類史を追求する意義と視点
原基構造の不変部分と可変部分
地球の気候変動と人種移動
モンゴロイドの歴史@ 20万〜4万年前 スンダ・モンゴロイド、北方モンゴロイドの誕生
モンゴロイドの歴史A 4万〜1.3万年前 中央アジア・モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史B 1.4万〜1万年前 スンダ・モンゴロイドの拡散
モンゴロイドの歴史C 1万年前〜6000年前 新モンゴロイドの誕生と拡散
モンゴロイドの歴史D 5500〜3000年前 寒冷化→新モンゴロイドの本格的な南下→中国へ
モンゴロイドの誕生と北方への進出
南方モンゴロイドの拡散と新モンゴロイドの誕生
北方モンゴロイドの拡散(ツングース族、モンゴル族、テュルク族の起源)
家畜化と農耕と遊牧、都市国家1〜家畜化と社会余剰〜
家畜化と農耕と遊牧、都市国家2〜家畜化と社会余剰〜
牧畜によって何が変わったのか?
遊牧によって何が変わったのか?
交易によって何が変わったのか?
遊牧部族の父系制転換
中国文明の起源
遊牧民の中国支配史2: 〜夏・殷・周の成立〜
遊牧民の中国支配史3: 〜春秋戦国時代・秦〜 550年間にわたる遊牧部族同士の同類闘争が、心を歪ませ、思想を発達させた
遊牧民の中国支配史4:漢の時代〜冊封体制と朝貢制によって中国史上初の私権統合体制を実現した漢帝国〜
遊牧民の中国支配史5: 〜五胡十六国・南北朝の時代〜 400年に渡る戦乱により、血縁を紐帯とした部族集団が悉く解体され、現代中国の原型=3層の人民構成が形成された
中国とは何者か?−ヨーロッパとイスラムと中国−
潮流1:共認原理と私権原理
2600年前頃、古代宗教・思想の世界同時成立期・・・・そして大転換期の現代
1万年前以前の極寒期には南欧以北の欧州は無人だった
原欧州人とシュメール人の出自
5500年前、イラン高原で最初の略奪闘争(戦争)が勃発
3500年前、コーカサスと地中海は略奪部族の支配国家と山賊・海賊だらけになった
2900年前、海の民の侵略で地中海沿岸の部族共同体は崩壊
略奪集団であるが故に自我の塊になった西洋人
西洋人の精神構造と異常な性意識

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp