古代市場と近代市場
143035 「贈与」と「掠奪・収奪」と「交易(交換取引)」
 
岩井裕介 ( 35 山口 再開発プランナー ) 07/01/22 AM08 【印刷用へ
一般に、経済や市場の歴史を扱う学問では、古代の物流を何でもかんでも「交易」という言葉でひっくるめているが、これはあまりにも乱暴な議論である。少なくとも「贈与」「掠奪・収奪」「交易(交換取引)」は、それぞれ物流の原理が異なっており、概念を整理すべきである。

※『なんでや劇場資料15 古代市場の成立構造:贈与〜収奪〜市場取引への変遷』参照

【贈与】:共認原理に基づく友好の証
・他集団との接触によって生じた緊張圧力を相互の贈与によって回避。
・双方とも私有意識・自集団第一の意識は存在せず、友好の証として各々の集団が最も貴重と考える品を交換条件なしに贈与し合う。

【掠奪・収奪】:力の原理による(一方的)掠奪・収奪
・遊牧→掠奪部族が武力により農地を獲得、被支配層に所有地の生産をさせる農耕生産に転換。
・被支配層からは「神殿への喜捨」などの名目で生産物を全て収奪し、支配に必要な分を再分配。
・遠方の被服属集団からは武力や神殿強化のための金属や建材等を調達。再生産と服属維持のため自領地で集積した農産物を与える場合もある。

【交易(交換取引)】:幻想共認→価格格差をテコとする私権原理に基づく交換
・集団aから安く入手し国家Bに高く売る=複数の国家・集団間のモノ移動の間に価格格差(幻想価値)を作り出すことで私権を拡大。
・最重要顧客は各国家の支配者層。∴力の原理により集積された富を原資に市場が成長。
・交易集団は国家を持たず、各地から物資が集積する交易拠点を押さえることで勢力を拡大。
 
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