共同体社会の実現
140843 人々が社会統合にお金を使うようになるにはどうしたら良い?
 
斎藤裕一 ( 43 東京 建築家 ) 06/12/22 PM09 【印刷用へ
>市場(交換取引)は私権闘争を原動力としており、従って、お金が万人の評価指標として社会的に共認されたものであるにも拘わらず、それは専ら私的な充足の為にのみ使われ、社会統合の為には(国家以外)使われない。従って、市場は社会統合には、殆ど寄与しない。30710

社会統合(教育や福祉、防衛、治安など)の経費は、市場や個人からの直接の購買ではなく、個人、法人から徴収される税金と、国などが個人、法人に対して行う借金(公債)で大半が賄われている。公的資金は、このように直接市場を経由せずに公的なサービスに投下されている。

しかし税金は、所得税や消費税、嗜好品に掛かる酒税やタバコ税など、人々の生産活動や消費活動の出来高に影響される。生産と消費はともに経済が活性化して初めて出来高を上げることが出来るので、よく言われるように不景気で税収が縮小するのは、仕組として必然である。

この部分は、よくよく考えると国家に寄生しているだけの市場(経済)に国が唯一依存している部分でもある。しかし、これはむしろ、「寄生」に対する賃料(=ショバ代)みたいなものだとも考えられる。市場が好調なときは賃料収入も自動的に上がっていくが、縮小した途端ショバ代も取り損ねる不十分な仕組みだと言える。

突き詰めれば、社会統合の経費を、市場の脇道から掠め取るようにしか徴収できない不完全さの問題であると言える。やはり社会統合の費用は国民の必要か否かの判断を露にした、直接の支払いにすべきかもしれない。実はそのようにすると、公的サービスの民営化に極めて近い(殆ど同じ形態になる)。残された課題は、単なる民営化が相変わらず個人にとっての必要か否かでしかないものを、よりみんなにとって必要か否かに、如何にして人々の意識を塗り替えられるか、である。

しかし、こうした議論を「民営化」などと蒙昧なことで思考停止せずに、広く国民に問うてみたら良い、と思う。例えば市場にあふれる無駄な商品に比べて、社会統合の方が必要と判断することはさほど難しいことではない(というより自然である)。そのことに気づかぬ統合側が、掠め取りしか出来ずに汲々とするのも、これもまた必然(というより当然の報い)であるように思う。



 
  List
  この記事は 30710 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_140843
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
141340 統合中心を別の場所に創り出す事が必要 新川啓一 06/12/30 PM02
141316 ラクな生活は本当に良い? 加来野浩史 06/12/30 AM10
140869 社会統合参加への秩序収束力が、それにお金を使う認識を作り出す。 近藤文人 06/12/22 PM11

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、46年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp