メソポタミヤ文明
136385 「奴隷」などの“身分”の起源はいつなのか?(教科書は間違ってる?)
 
蘆原健吾 ( 30代 福島 出版系 ) 06/11/03 PM09 【印刷用へ
>学校で習った歴史では、“農耕が始まって作物が貯蔵されるようになったがゆえに貧富の差が生まれた”とか、“農耕が始まって大規模な灌漑設備を作る必要があったから、大規模な組織を統合するために身分が生まれた”といったような説明がなされていたような記憶があるのですが、それだけで、「貧富の差」や「身分」が生まれるものなのでしょうか?(134270匿名希望さん)

たしかにこの点は疑問ですね。

先日の「なんでや劇場」でいただいた資料では、今から6000年ほど前に先住民ウバイド人をシュメール人が駆逐した(最初の本格的な掠奪戦争)の後に「捕虜を描いた円筒印章」が見つかっており、5500年前の最古の城壁の遺跡の時代のあとに、「自由民と奴隷」の記録が初めて出てきているようです。

シュメール人の侵略の前のウバイド先住民の時代、今から7000年ほど前には既に灌漑農耕が発達していた跡が見つかっているそうなので、おそらく、当時は、本源性を残した氏族集団を包摂した部族集団がゆるい連合を組んで、協同で灌漑などの大規模事業を行っていたのではないでしょうか(当時は、職業の専門化はある程度あったでしょうが、「身分」というのはまだ無かったのでは?)。

そして、シュメール人やアッカド人などにより虐殺や侵略が繰り返され、本源集団が解体されていくにしたがって、はじめて「支配階級」や「奴隷」などの「身分」が生まれてきたのではないでしょうか。

特に「奴隷」というのは、人間を「所有物」として扱ったり、家畜の一種として認識したりしているわけで、それまでの「外の仲間」という意識からはあまりにもかけ離れたものです。また、力(武力)でもって強制的に人を従わせる…という発想も、本源集団の価値観からは決して出てきません。

蓄財によって…とか、大規模灌漑事業の必要性などで、「自然発生的に奴隷などの“身分”が生じた」、と説明している教科書は誤っている可能性が高いのではないでしょうか。

人類集団における「身分」の形成の前と後には、大きなパラダイム転換が挟まっている。そのパラダイム転換は、“掠奪と虐殺・戦争による本源集団の解体”という大事件なのではないかと思います。
 
  この記事は 134270 ブログ1 ブログ2 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_136385
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
138225 アッカド王国時代の身分制度 中瀬由貴 06/11/23 AM00
136558 私有意識が支配意識にまで至ったのはなんで? 走馬灯 06/11/05 AM06

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 滅  亡
 第四部 : 場の転換
 参考文献

「合同板」必読記事一覧
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
私権社会の打破のために
遺伝子の共同体
「利己的な遺伝子」を切開する 1
「利己的な遺伝子」を切開する 2
実現論の形成過程
闘争と生殖の包摂@
闘争と生殖の包摂A
自我が邪魔をして心を開けないセックス
近代思想の結果が、現代
転換期の女たち
夜這い婚
漱石をねじ曲げる「奴隷」たちへ
「自我=エゴ」を制御するもの
相手尊重の意識の原点は?
規範意識の形成の土台は? 
大転換期の予感と事実の追求
現代の神官=社会統合階級の欺瞞
個人主義者の詭弁 個人と自我
個人主義の責任捨象と言い逃れ
現状の経済システムに問題あり

『るいネット』は、35年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp