>私権の衰弱によって社会的な身分序列の頂点に君臨することになった大学の体制化とそれによる肯定派の増大によって、徒らに対象の細分化が進行し、ますます基本構造の見直しが捨象されて、誤った「基本認識」を生き永らえさせる事になった。<(18718)
’70年以降、貧困の消滅により剥き出しの政治的権力や経済力が衰弱すると、彼らに代わって表舞台に登場したのが、学者やマスコミでした。
今では信じられないかもしれませんが、その頃大学と言えば反体制の牙城でした。しかし、学生運動の挫折を境にして教授連中の多くが転向します。蛸壺(自らの専門分野)にこもり、政治家とつるんで世論を操ることに存在基盤を見いだすのです。つまり、御用学者(=統合階級)として生き永らえることを選択したわけです。
そんなことが可能であったのも、新しい構造認識の構築を棚上げにし、生命力を失った旧観念を後生大事に奉ってきたからであり、それこそ、既存観念が「特権知識階級の商売道具」と言われる所以です。
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