実現論を塗り重ねてゆく
135973 '70年代以降のチンケな運動=ガン化の背景
 
吉国幹雄 ( 54 鹿児島 講師 ) 06/10/30 PM03 【印刷用へ
>その原因が、豊かさ追求(貧困からの脱出)と、それを正当化した近代思想(自由・個人・人権)と、それに導かれた要求運動というパラダイム全体の終焉であることは明らかである。ところが、今なお多くの運動が、とっくに輝きを失った近代思想に依拠し続けている。それでは、誰も(ごく一部の人しか)「運動」に参加してこないのも当然だろう。<(9050

'70年代までに輝いた、近代思想も、近代科学(科学信仰)、近代宗教。さらに要求運動から反対運動を含めた社会変革運動。それらは全て外圧として「貧困の圧力」という社会不全があり、「貧困からの脱出」が「社会共認」されていたからだ。その実現のために体制・制度が作られ、私権の強制圧力ですら貧困ゆえに共認された。ありとあらゆる思想・行動・体制、つまり社会は「脱貧困」によって統合されていた。

しかし'70年、貧困の圧力が主に科学の力によって実現されるとこの社会統合の軸がガタガタになった。「脱貧困」の社会共認が実現されたがために、無思想・無関心が蔓延し神が死に科学は行き先を失う。私権の強制圧力も無効化して社会の統合力が弱体化する。
本来は、パラダイムそのものを転換=新しい社会共認を形成し、新思想・新科学・新体制を生み出していかなければならない。にも関わらず、相変わらず要求運動・反対運動といチンケな運動にとどまる。それらは旧パラダイム上の運動であるが故に、旧社会を持続させようとする、ますます閉塞化が進むという一種のガンとなる。なぜか。
そもそも、彼らの運動は結局は人権や個人という名の「自分=私権」の実現を掲げているにすぎないからだろう。

つまり、'70年以前の「脱貧困」の「社会共認」は集団・社会第一であり、「豊かさ」追求とは「社会の豊かさ」に他ならなかった。当然、共認された私権闘争も自我を原点とする掠奪闘争を封印して成立していた。だから私権の強制圧力も共認された。が、その社会共認が実現されるや、封印されてきた個人の私権自我の発露を認めることで統合を継続し維持しようとした。
制度も「プライバシー」不可侵を容認し、変革運動も個人の自由・個人の権利主張が中心となる。それらを要求したチンケな運動は反社会のガンそのものと化す。それは見方を変えれば、当の統合階級がガン化を推進していると言える。だから借金は止めどもなく増えつづけた。

しかし、これらの自我運動が推進されればされるほど、人々の共認不全は高まるばかりであり、その不全は社会共認されつつある。「反2チャンネル運動」もその現れであろう。
'70年代から現在までの30年間は人類社会の転換のはざまであり、新しい共認運動=普通の人々の社会運動を活性化する必要性を改めて自覚した。
 
  List
  この記事は 9050 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_135973
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp