■遊牧発生までの生産様式の変遷
◇1.5万年前、弓矢を発明→集団の防衛力が上昇→新しい生産様式へ
・それまでの密漁生産から、森林豊かなスンダランド(=現東南アジア)においては南方モンゴロイドが採取生産へ移行。
・草原の多い中央〜西アジアで定住していた北方モンゴロイドは狩猟生産へと主要な生産様式を変えていった。
↓
◇1.3万年前、寒冷化→乾燥化→狩猟から牧畜へ
・乾燥化によって食糧確保が難しくなった採取民族は、1.2万年前に草原での野生植物の栽培開始→農耕へ。
・狩猟民族は1万年前に牧畜へと生産様式が移行していった。(※)
↓
◇8.2千年前、乾燥化→食料危機→遊牧へ【遊牧の起源】
・乾燥化により、暮らしていた草原が荒地と化した牧畜民は、牧草地と水を求めて移動し始める。
↓
◇7.8千年前、温暖化→海面上昇→農地損失→遊牧へ【遊牧民の増加】131346
・その後200年間続いた温暖化湿潤化が急激な海面上昇を招き、水辺の生産様式と集団を破壊した。家屋と農地と多くの仲間を失って残された人々はわずかな家畜と共に各地へ散り散りとなる。
↓
◇5.8千年前、乾燥化→深刻な干ばつ→遊牧へ【遊牧民の更なる増加】131577
降雨量が激減した影響で不作が続き、多くの人びとが村を捨てて食べ物を探して当てもなく周辺を彷徨うことになる。
★繰り返し襲う気候変動に住む土地を追われる中、干ばつの影響が少ない高地へ移動していく部族や、それでも元の場所に留まり、灌漑農業と狩猟採取を併用することで食いつなごうとした部族もいたが、牧畜の群れとともに移動を余儀なくされる遊牧部族は着実に増加していった。
※補足【家畜の起源】
・牧畜は肉食動物の餌を飼う状態であり、人類も危険に晒される。
・弓矢の発明後、防衛力が上昇して家畜や集団を守ることが可能になった為、牧畜生産に移行できたと言える。
・家畜化は鳥などの小動物であっても飼いならすのは非常に困難であるため、イヌ(オオカミ)などの集団性の高い動物から始まったと考えられる。(∵集団性の高い動物は、ボスを服従させれば集団を一気に飼いならせる(=序列本能)。加えて、部族を外敵から守る重要な防衛力+攻撃力としても機能していった。)
■遊牧の特徴
1、食料が少なく、貧しい集団
2、集団同士の依存度が低下→自立性が強い
・牧畜生産のような大集団の維持は困難であり、最低限の防衛力を確保できる規模は維持しながらも、集団が離散していく生産様式である。
3、家畜と共に移動→肉食動物=外敵圧力が高い→闘争性が強い
★1〜3より遊牧集団は『自立性の高い戦闘集団』である。
↓
★父系制への移行
・高い闘争性が求められ、集団としての闘争・生産能力を維持するために、婚姻形態は女が集団間を移籍する『父系制』に移行していった。
・オスは集団から離れていく本能上の特徴を有し、メスは闘争集団への帰属性が生まれにくい→集団を統合できない。したがって、他の殆どの集団は母系集団である。
↓
★同類闘争圧力の高まり
・遊牧民の段階的な人口上昇に伴い、集団同士の接触頻度が高まる。
・季節ごとに生活を営む土地へ所有意識が生まれ始め、縄張り侵犯に対する警戒心発生→同類闘争圧力が上昇する。 |
|