健康と食と医
132721 業界の圧力により環境ホルモン問題を隠蔽する環境省
 
ET ( 40代 ) 06/10/01 AM04 【印刷用へ
★魚のメス化、汚染源は人間?
「魚のメス化は合成化学物質(環境ホルモン)ではなく、人間から出る女性ホルモンが原因であり、汚染源は『人間』だった」という内容が『ソノコト』という月刊誌で掲載され波紋を広げているようだ。どうやらその記事は環境省が書かせたものらしい。
以下、「環境ホルモン問題を隠蔽する環境省」週間金曜日623より引用紹介する。

●雑誌の記事
>『ソノコト』誌は99年に創刊され発行部数10万部。スローフードブームの火付け役であり、最近ではロハス(健康と環境的持続性を大切にする生活の仕方)という言葉を広めてもいる。その今年1月号の別冊付録「チビコト」誌上にて「ロハス的環境ホルモン学」というテーマを扱っている。

>1990年代末に環境ホルモン問題がクローズアップされたころ言われた、ポリカーボネート製の食器などに含まれる合成化学物質原因説ではなく、人間などの排泄物(特に女性の尿)中の女性ホルモンが川に流れ込み魚をメス化させた、という意味だ。

>安井至・国連大学副学長は、環境ホルモンは「野生生物にしか害は及びません」と話し、人間には無害であるととれる発言をしている。また英国ルポに呼応するように「環境ホルモン作用は人口の化学物質よりも、実は本物の女性ホルモンのほうが強い」と語っている。さらに当時この問題を扱った報道の多くが、根拠を欠く「環境ホルモン『騒動』だった」と振り返る。

●専門家の反論
このような内容に対して専門家から多くの批判がある。
>岐阜大学の粕谷志郎教授(環境生態学)もこう批判する。「人体や家畜から出る女性ホルモンが主因とする説には賛同できない。私が研究している缶詰などに使われるビスフェノールAという化学物質をマウスやラットに投与すると多動性が増し、人間の子どもに注意欠陥・多動性障害(ADHD)を引き起こす可能性が懸念されている。なのにいまだ規制されていない。安井氏の見解は、環境ホルモン学会での最小の合意、共通認識にまったくなっていない」

>東京大学大学院疾患生命工学センターの遠山千春教授(健康・環境医工学、環境ホルモン学会理事)は「胎児期のラットやマウスにフタル酸エステルやビスフェノールAなどを低容量で与えると、学習や免疫、生殖機能に悪影響があるという報告が少なからずある。したがって、人間には害は及ばないとは現段階では断言できるものではない」と言い切る。

●製作の裏
>専門家からの批判が多いこの冊子の製作を『ソノコト』誌に依頼したのは、環境省で化学物質の問題などを担当する環境安全課であり、編集・製作費約1105万円という公金を支払ってである。

>環境省では、98年から開始した環境ホルモンに関する調査研究SPEED98を中止し、05年からExTEND2005という取組みに切り替えている。『ソノコト』誌の小黒一三編集長は昨年から、このExTENDの「リスクコミュニケーション推進検討委員会」の委員である。つまり、どのようなメディアを使い、環境ホルモン研究の現状を市民にどう知らせるかを考える会議のメンバーに、冊子の製作を依頼し、1100万円以上の対価を支払っているのである。

>環境省が作成した「冊子作成業務仕様書」によると、@英国での状況についてのレポート、A(自然に)性転換する魚類についての紹介、D環境ホルモン専門家による対談、E関連する語彙の説明と、出来あがった「チビコト」の内容とまったく同じだった。つまり、こと子細に『ソノコト』に対して編集内容を指示していたのだ。

●なぜ環境省がこのような記事を書かせたのか?
>粕谷教授が強調するのは、「『環境ホルモン=化学物質原因説』への巻き返しとして、さまざまな分野の工業会が化学物質原因説を否定する論陣を張っている」ということだ。


つまり、業界の圧力や要請に環境省が応じて都合の悪い環境問題を封じ込めにかかった、という単純な図式であろう。

環境問題を深刻化させてきたのは市場拡大が原因であることは明白であり、その推進役は産業界と国家(行政)であることも明白である。先のアメリカ産牛肉輸入についても危険性が指摘されているにも拘らず政府は「答えありき」の輸入に踏み切った。多くの国民は失望している。人類本来の健康・安全<目先の経済成長路線という歪んだ図式が強まっている。

この図式が反転しない限り、人類滅亡へと進むだけである。
目先の利益と引き換えに、人類的環境破壊に蓋をするなど許されない。人類の敵である。
私たちには、このような事実をあからさまにしていく必要がある。


 
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138024 Re>結局、環境ホルモンって問題ないの? 鈴木康夫 06/11/20 PM09

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