共認運動をどう実現してゆくか?
128751 「スッキリ!」を超えて「これで闘える!」答えに。
 
西谷文宏 ( 29 和歌山 建築設計 ) 06/08/22 PM03 【印刷用へ
なんでやのお題の評価として、「スッキリ!」「よくわかった!」と言う評価を頂くことが多いと思いますが、社会派・探索派の若者が増えてくる中で、「スッキリ!」レベルの答えでは”弱い”と最近痛切に感じています。
職場の問題や、教育現場での問題、子育ての問題など社会不全系のお題に対しては、いかにその問題を突破していけるか、詰まるところお題を聞いたお客さんが、「これで闘える!」と感じられるかどうか。そのような”答え”が強く求められていると感じています。

 つい先日も海老名露店で通信で教職勉強中の20代女性2人組が「学校って何?教育って何?」のお題を聞いてきました。この2人は、教育現場のあまりの酷さ、中身のなさに問題意識を持ち、自ら教職となって教育を変えていきたいと言う本物の社会派。
(一人は、もともと学校図書館の司書として働いていたとき、イジメに会っていた子供が目の前で自殺。以前からその危険性を感じ、職員会議に割って入り問題提起したものの、「教職でもない人間がわかったようなことを言うな」と言われて全く取り扱ってもらえなかった。そうしているうちに、子供が自殺。自らの力の至らなさと、教職の問題性を感じ、司書を辞めて通信で教職を取ることにした。
 もう一人は、国際救護活動をしていたが、日本に帰ってくると、むしろ日本にこそ多くの問題があることに気づいた。特に短絡殺人などの報道を見て、教育を変える必要性を痛感。やはり通信で教職の勉強を始めた。2人は教職の通信教育の中で出会った”認識仲間”)

2人の問題意識の中心は、「学校教育が上手くいかない理由」にあったので時代変遷を辿りながら、その構造を展開。
 貧困の消滅→序列による集団統合が不可能に+バブル崩壊以後、私権を獲得しようとする活力が全面衰弱。
 学校は序列で統合された集団の最たるもの→だから序列崩壊で統合不可能に。学校で教えてきた「勉強の目的」は私権の獲得→だから私権活力全面衰弱で勉強活力も衰弱
 このような状況に対して、文科省が出した答えは「ゆとり・個性教育」。この根本から間違った偽者の答えは学校の過保護空間化、無圧力空間化を招き、学校教育に止めを刺した。
 
 ここまでの構造の展開で、2人は”スッキリ”
 これまでなら、ここでお題を終わり、カンパを頂いていましたが、この2人はこれでは終わりませんでした。これまでの展開を聞いて、2人から同時に口をついて出た言葉は「闘うための言葉が欲しい」。

 聞いてみると、「学校教育が上手くいかない理由は凄くわかった。ゆとり・個性教育に問題があるのは前から感じていたが、何が具体的にまずいのか、どうしていけば良いのかが解らないので学校の授業(通信教育で大学の夏休みを利用して行われる対面授業)で教授の言っていることにおかしさを感じても、全く指摘できないし、それに流されてしまう自分達がいる。闘うためにどうすればいいのか、具体的な言葉が欲しい」とのことでした。

この2人の話しを聞いて、「ゆとり・個性教育の根本にあるのは個人主義と言う観念。個人主義とは詰まるところ、「自分さえよければよい=自己中」観念と言える。話しは突然大きくなるけど、始原人類は凄まじい外圧状況の中で、みんなで支えあい、充たし合うことで過酷な外圧を生き抜いてきた。人間の本性は、このような歴史の中で作られた「共同性」にある。
こんな状況の中で、自分なんてことは言ってられないし、自己中な人間がいれば、そいつが死ぬのはもちろん、集団みんなが死滅してしまう。つまり「個人主義」なんて言うのは全く何の根拠もないし、人間の本性=「共同性」を破壊する最悪の観念。
こんな観念で教えてきたから、学校だけでなく社会もガタガタになってしまった。これから大切なのは「個人主義教育」ではなく「共同性教育」。そして「自己中は人類の敵」と言う規範の確立。これから教育に求められるのはこの2つに尽きる!」と一気に展開しました。

二人は深く頷きながら、「”人類の歴史に照らし合わせたら、個人主義に根拠はない”と言うのと、”人間の本性は共同性。個人主義はそれを破壊する。”と言うのは、凄く良くわかった!今の言葉があれば、学校でも闘えそうだし、これから教職の道を進んでいく上で、何をしていけば良いか明確になった。向かい合うべき課題をたくさんもらったし、その課題と闘っていくための武器をもらった」と目を輝かせながら語ってくれました。

 ここ半年ばかり、東京の都心を中心に露店をやる中で、この2人のような”社会派・探索派”が増えてきているのを強く感じています。
社会派・探索派は、具体的に課題(=個人不全ではなく社会不全)を捉えているため、その課題と向き合い突破していくための認識、文字通り「答え」を探しています。
彼らには、もはや「(構造的に)スッキリ」と言うレベルの答えでは、もの足りない。それを超えて、「これで闘える!」と言うレベルの答えが求められています。

 最近、こういう若者に答えていて感じるのは、「答える」と言うよりは「武器(=認識)を伝授する」と言う感覚。文字通りその場で「答えの供給者」を育成している感覚。
 「武器を伝授する」には、やはり斬新な切り口と、現実の問題を突破できる認識が必要になるし、人に伝えるための明確な論理構成が必要不可欠になります。当然、我々露店主にかかる圧力もより一層高くなる。

社会不全が益々高まり、本物の社会派・探索派が増えている中で、
 「スッキリ」する答えを超えて「これで闘える!」答えに。
 単に「答えを出す」場から「みんなを育成する」場に。
なんでやの進化が求められていると感じています。
 
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