生物学を切開する
126694 繁殖力旺盛なネズミに追われて原モグラは樹上に逃避した
 
土山惣一郎 ( 48 山口 デザイナー ) 06/07/25 AM10 【印刷用へ
 前稿の認識をもとに、原モグラからサル(=原猿)への進化を検証するとどうなるか?。

 現代型哺乳類の子孫は食虫目に酷似した原モグラですが、恐竜が絶滅した6500万年前から4000万年前までの間に、食虫目(=モグラ目)に限らず現存する哺乳類の種別の大半は出揃っています。その中でも齧歯目(=ネズミ目)の登場は早く、遅くとも5000万年前までには出現し、その旺盛な繁殖力を武器にして3000万年前には寒冷地を含めて世界中に拡散していたと言われています。その結果、かつて原モグラの主要な縄張りであった地面と落ち葉の隙間はこの齧歯目が制覇したと考えられます。

 ネズミに追われるようにして、ほとんど原モグラの形態のまま地中にもぐったのが現在のモグラ(=食虫目)であり、一方、原モグラが持っていた鉤爪を生かして樹上逃避を試みたのが原猿(=霊長目)です。つまり、サル・人類の祖先である初期原猿とは、象徴的に言えば、ネズミにも勝てずに樹上逃避するしかなかった弱者だった訳です。

 だいたい4500万年〜4000万年前に初期原猿は登場したと言われていますから、この樹上への逃避行は、齧歯目の登場から1000万年に満たない間に、木の枝から枝に飛び移るための四足の親指の骨格の発達、さらには枝を掴めるまでの指の対向性を獲得するに至ります。その結果はるいネットでもお馴染の樹上世界の制覇〜同類闘争共認機能の獲得です。

 なお、ヘビに追われて樹上逃避したのが原猿だという意見もありますが、むしろネズミetcの哺乳類繁栄に追随するカタチで、ヘビの進化や発展があると捉える方が自然です。確かにヘビは小型哺乳類の天敵と言う人が多いのですが、変温動物としての限界があり、運動活性が哺乳類よりも数段劣ります。また、その進化の系譜を見てみると、手足を無くし、毒によって自分自身の骨も脆弱になるなど、相当なリスクを背負い込んで小型哺乳類などの捕食機能に特化している、並びに、ヘビの繁栄は爬虫類の中では異常に遅いだけではなく、哺乳類の発展史よりも決して先行していない、特に毒蛇への進化は3000万年〜2500万年前と食虫目・齧歯目の登場・拡散よりも後らしい・・・、これらの理由から原モグラを樹上に追いやった張本人とは考えにくいと思います。
 
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