世論がマスコミによって支配されている事象には事欠かない。然し、山口県で妻子を殺された男の「記者会見報道」は実に迫力があった。高裁の無期懲役刑を、最高裁を舞台に差し戻し判決まで押し返した件だ。
妻子を無残に殺された無念の情に駆られ、追い詰められて考えついた結果が「マスコミを活用するしかない」という結論だったと云う。然しその課題全体が、堪らないほどに辛い作業であった、と述懐していた。
国家の諸機関は最高裁のお墨付きが見込めて(多分、暗黙の了解)、権力を行使する。共認の時代になって、絶対であったその権力の上前をいくのがマスコミによる共認支配である事を、追い詰められて切羽詰った一人の男も気付いたのであろう。 |
|