私権社会の婚姻制
1169 夜這い「オコモリ」4
 
岩井裕介 ( 29 山口 再開発プランナー ) 01/03/10 PM11 【印刷用へ
(前稿の続きです)
二点目は、女たち(後家)にとってもこの行事は、とても重要であっただろう、ということです。ムラの最前線の課題をこれから担っていく若者を性的に一人前にしてやることは、彼女らにとって楽しみでもあっただろうが、それ以上に責任ある役割であり、誇りをもってこの任務にあたったと想像されます。

最後に何故後家なのか、ということですが、おそらくこの時代は少なくとも表向きは一夫一婦制であったからだろうと思います。主婦の場合、日常的に性の役割(旦那の相手)がありますが、後家の性生活は宙に浮いてしまいます。それ故に「後家」と「娘」はムラの男の共有とみなし、夜這いの対象とすることもありますが、年をとってくるとなかなか出番がなくなってくるのが実情ではなかったかと思います。

つまり、性的には最も熟練しているものの、次第に性の出番の少なくなってきた年増の後家さんにとっては、「オコモリ」は年に一度の晴れの舞台であったと言えます。

それぞれの能力に見合った役割が与えられ、それをまっとうすることで皆が充足できる集団、それが村落共同体の姿であり、「オコモリ」はその一端を示していると言えるのではないかと思います。
 
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