人類の起源と人類の拡散
11145 単一起源か?多地域起源か?(その2)
 
麦秋 ( 34 東京 ) 01/09/19 AM01 【印刷用へ
しかし、この問題に明快な結論を見いだすまでは、まだ検証すべき問題が残されていると思います.

例えば、以前の投稿でも触れましたが(9526)、近年盛んになったDNAレベルでの解析が、人類起源の解明にどの程度の妥当性をもつのかが定かではない点.

DNAに生じる突然変異は一定のペースで発生するので、歴史が長くなればなるほど、その集団の中での配列の違いは大きくなるという考え方がこの解析手法の前提となっています.

アメリカ、カリフォルニア大学のアラン・ウイルソン博士は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリア、アメリカの5つの地域、134人のDNA配列を調べ、その違いを分析しました.その結果、ヨーロッパ集団、またニューギニアやオーストラリアを含むアジア集団は、配列の違いが比較的少なく、またアフリカ人同士では、配列の違いが大きいことが分かりました.

ここから、ヨーロッパ集団、およびアジア集団間では歴史が短く、またアフリカ集団間では歴史が長くなる、言い換えれば、現代人共通の祖先はアフリカで誕生し、ヨーロッパ人やアジア人はそこから枝別れしたとする「単一起源説」を提唱したのです.

※さらに突然変異の時間を詳しく計算した結果、アジアやヨーロッパ人が登場したのが9万年前、そしてアフリカに現代人共通の祖先が登場したのは20万年前だと報告しました.

その後、ウィルソン博士の教え子の一人、マックス・プランク研究所のペーボ博士は、世界で始めてネアンデルタール人のミトコンドリアDNA分析に成功します(1997年).

彼は、ミトコンドリアDNA(16500の塩基配列)から取り出した378の配列を比較し、ヨーロッパ人とアジア人での、平均8箇所の違いに比べ、ネアンデルタール人と現代人の間で、26箇所が違っていることから、ネアンデルタール人は現代人の祖先とはならない、と結論づけ、単一起源説を補強したのです.

しかし、16500の塩基配列をもつミトコンドリアDNAから、取り出された一部分が果たして解析に妥当なのか否かは不明です(単に私の素人判断だけなのかもしれませんが).


500万年の流れをもつ人類進化を解きほぐす「おもしろさ」は、もう少し後に取っておきましょう(^^ゞ)
私も、田野さんの提起されている問題につっこんでみたいと思います.
 
  List
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_11145
  ※トラックバックは承認制となっています。

 この記事に対する返信とトラックバック
単一起源説vs多地域起源説を切開するvol.1(起源説の概要) 「共同体社会と人類婚姻史」 10/06/04 PM10
12911 単一起源説を覆す新たな事実 田中素 01/10/08 AM00
12221 ミトコンドリアDNA解析による進化系統樹の適用範囲は?@ 蘆原健吾 01/09/29 PM07

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
新しい潮流1 社会捨象→不全捨象の充足基調(’70・’80年代)
新しい潮流2 私権統合の崩壊と社会収束の潮流(’90・’00年代)
新しい潮流3 社会不全⇒認識欠乏の蓄積
新しい潮流4 言葉それ自体が引力を持ち得ない時代
新しい潮流5 実現派は仲間収束から社会収束へ
新しい潮流6 解脱仲間から認識仲間への逆転
仲間圧力と認識仲間
新しい潮流は、新しい人間関係を必要としている
市場社会の、カタワの「集団」
本当は、「集団」に入ったのではなく、社会に出たのだ
古い人間関係は、影が薄くなるばかり
関係パラダイムの逆転1
関係パラダイムの逆転2
活力源は、脱集団の『みんな期待』に応えること
収束不全発の適応可能性の探索、その深くて強い引力
充足基調から探索基調への転換
'90年代の危機感と変革期待の行方
秩序収束と答え探索の綱引き
潮流2:戦後日本の意識潮流
潮流3:’70年、豊かさの実現と充足志向
潮流6:’95年、私権原理の崩壊と目先の秩序収束
潮流9:経済破局を突き抜けてゆく充足・安定・保守の潮流
今後10年間は充足⇒活力を上げれば勝てる 
「日本人はいつ物を考え出すのか?」(1) 共認充足が最大の活力源。'10年代はそれだけで勝てる
市場時代の共認非充足の代償充足⇒解脱(芸能)埋没
'70年〜現代 収束不全⇒本能的な秩序収束⇒課題収束⇒認識収束
現代〜近未来 対象への同化こそが新しい認識を生み出す
大学生が授業に出るのはなんで?
「やりがい」に潜む社会的欠乏
カリスマ 〜自分たちが共認できる価値観への評価収束〜 
仲間収束 2:一人でできない子
「働きたいから働こう」という意識
快美欠乏に替わって、認識の統合が最高価値になった。
判断の土俵とは、人々の潜在思念が作り出した共認圧力の場
『必要か否か』が環境問題に対する基底的な答えになる
芸能か、認識形成か

『るいネット』は、48年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp