>運動性言語野が単なる言語発話機能ではなく、同化・応合機能=統合機能であると考えると、音読の効果も理解できる。音読によって運動性言語野、つまり同化・応合機能=共認機能が活性化するということだろう。(104913、冨田さん)
音読は、「読む」という行為を伴う。
「よむ(読む・詠む)」には、「一つずつ順に数える」という語源があるので、読むだけで脳の前頭前野(おでこの辺り)が活性化する。
又、音読は「聞く」ことも同時並行的に行っている。
>「聞く」も「読む」も、もののことを把握することであるが、「聞く」は聞く側の解釈を差し挾むことなく、ものそのものが発することをそのままにつかもうとすることであり、「読む」はものの現れた形を考え、そのものの内部に分け入って、つかもうとする。
したがって、まずことを「聞き」とりそしてそのことを「読み」解く。正確に聞かなければ読みは意味がなくなる。
参考:「構造日本語定義集」リンク
「聞く」は、物事をありのまま受け入れること。「読む」は一つ一つの繋がりや構造を理解すること。音読すると、同化と応合の共認回路が刺激されるので脳全体が活性化する。さらに、音読を仲間と一緒に行うことで相手の表情や場の雰囲気などの情報も掴みながら、皆の理解が促進する様に聞き方や読み方を意識的に工夫していくような効果もある。
>さらに注目すべきは、話すという行為が、同化・応合機能と一体であるということ。つまり言語=話すことの原点は、相手に対する同化・応合であるということ。(104913)
ここで、「聞く」「読む」「話す」の関係はどうなっているのだろう?
つまり、周りの声を聞きながら読むという能力を強化することで、相手に物事の内容を正確に伝える=「話す」という能力も同時に強化されるのではないか。このように見ていくと、音読は(頭全体を使って)共認形成を豊かに形成するために極めて効果が高いことが分かる。
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