心の本体=共認機能の形成過程
104711 戦後教育を取巻く歴史
 
村田頼哉 ( 34 高知 企画 ) 06/01/28 AM03 【印刷用へ
<戦後教育を取巻く歴史>

【1945年08月15日】(終戦)
・日本の戦後教育は「国のために命を捧げることを教えた軍国主義教育」への反省から出発

【1947年】
(教育基本法制定、日教組設立)
・戦後教育の理念「教育は人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」が謳われている。
・これを受けて、初めての学習指導要領が「試案」として発表され「児童生徒が自らの興味、関心をのばす教育の大切さ」が強調されている。 

【1950年】
(朝鮮戦争勃発・・・・東西両陣営の対立)
・GHQによる民主化政策は後退し、アメリカは日本に自衛と愛国心の教育を促す。
・文部省は教育委員会任命制と勤務評定(教師の勤務実績や能力を評価する)を実施、国の政策が教育現場に反映されるようになる。

【1952年】
(日教組が「教師の倫理要綱」を決定)
・「教育の自由の侵害をゆるさない」「教師は労働者である」「教師は団結する」など10項目からなる。

【1957年】
(ソビエトが人工衛星スプートニクの打ち上げに成功)
・戦後復興をある程度成し遂げ、産業、工業国家として成長しようと経済界の発言力が増す。

【1958年】
(学習指導案改訂「告示」)
・経験を重視した教育から、教科ごとに体系化された知識を教える教育へ。

【1960年】
(池田勇人が総理大臣就任・・・・「所得倍増計画」)
・日本の経済は急速に発展、経済発展を支える人的能力の育成を掲げる
・全国一斉学力テスト(66年に廃止)・・・・業者テストによる学力評価が定着していく。

【1964年】
(東京オリンピック開催)
・先進国の仲間入り、大企業を中心とした企業社会へ。
・「いい学校を出て、一流企業に就職することが人生の幸福だ」という考えが浸透する。
・学歴社会の形成、偏差値の導入、受験戦争の激化。

【1968年】
(日本のGNPがアメリカに次いで世界第2位に)
・文部省は学習指導要領を改訂、科学技術の急速な進歩に対応するため、教育内容を増やす方針を打ち出す。
・詰め込み教育の弊害として、家出、シンナー、暴走族など「落ちこぼれ」が社会問題に。

【1973年】
(第一次石油ショック)
・世界的なインフレをおこし、日本の高度経済成長は終わる。
・就職状況は悪化し、一層の学歴信仰を強めることとなる。

【1977年】
(学習指導要領の全部改正「ゆとりの時間」を設ける・・・・1980年度から実施)
・教育内容、授業時間が一部削減される。
・実際は教科時間を削ることでつまづく子供が増え、ゆとりの時間を使って補習授業をするなど、表面的な対策でしかなかった。

【1980年】
(経済界の要請→国鉄・電電公社の民営化)
・規制緩和・自由化が推進され、この改革の流れは教育界にも波及し、教育の自由化を進める「個性化」「多様化」
・しかし教育の現場では受験戦争の激化、落ちこぼれの出現から校内暴力の問題へと発展していく。現場では政府が打ち出す教育の自由化とは逆の「管理強化」が行われ、それが後のいじめ・自殺問題へと発展するきっかけになる。

【1988年】
(学習指導要領の全面的改訂・・・・「総合的な学習の時間」導入)
・子供たちが自ら学び、考えることを通して、生きる力を育成する。
・教科内容や学校の役割を大きく変えようというころには「学級崩壊」という問題も生じる。

【1989年】
(学習指導要領の全部改正・・・・1992年度から実施)
・「子どもが自ら考え主体的に判断し、表現したり行動できる資質や能力の育成を重視する」という新学力観の導入(→これが「ゆとり教育」の原点)
・学習内容、授業時数の削減。
・1992年から第2土曜日が、1995年からは加えて第4土曜日も休業日へ
・小学校の第1学年・第2学年の理科、社会を廃止して、教科「生活」を新設。

【1990年】
(バブルの崩壊)
・大企業の倒産、リストラ、年功序列や終身雇用などが崩壊し始めた結果、「いい学校→いい会社」という考えが揺らぎ始める。
・不登校の問題が浮上(80年初め2万人→90年代には5万人へ)。
・少年による凶悪犯罪が頻発するようになり、心の教育が重要視される。
・教育現場では業者テストが禁止、偏差値への批判から新たな評価体系(内申書などで意欲・関心を測るといった新学力観)を作り出す。

【1991年】
(全教の結成)
・日教組の内部闘争により分裂し、共産党系の全日本教育組合(全教)が結成される。

【1997年】
(神戸須磨児童連続殺傷事件)
・中学三年生(酒鬼薔薇聖斗14歳)が小学6年生を殺害。

(労働基準法改正)
・週40時間労働

【1999年】
(学習指導要領の全部改正・・・・2002年度から実施)
・学習内容、授業時数の削減。
・完全学校週5日制の実施。
・「総合的な学習の時間」の新設。

⇒義務教育の年間授業時間推移では、1970年まで6,181時間、77年で5,584時間、89年5,447時間、03年4月では4,506時間と、70年と比べて約70%となる。

【2000年】
(主婦刺殺事件)
・私立高校に通う3年生の男子生徒(17歳)が、主婦を金槌で殴って抵抗力を奪った後で刺殺。動機は「人を殺す経験をしたかった」。
(岡山の金属バット殺傷事件)
・後輩野球部員4人を金属バットで殴り重軽傷に、さらに母親を殺害。

・その他にも佐賀バスジャック殺人事件や大分の一家六人殺傷事件などがある

【2003年】
(長崎幼児殺害事件)
・児童自立支援施設に送られた中学1年の男子生徒(12歳)が、園児(4歳)を誘拐し殺害

【2004年】
(佐世保市の小6女児殺害事件)
・6年生の女児が同級生の女児にカッターナイフで切り付けられ死亡。


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