心の本体=共認機能の形成過程
103962 ぶら下がりのない先端収束、本源結合≒共認原理
 
佐藤英幸 HP ( 43 新潟 塾長 ) 06/01/13 PM04 【印刷用へ
出来ないのってなんでと、ここ数日考え続けてきた。私が真剣に悩んでいるので身近な認識仲間もお題を固定してくれた。

過去の塾生を思い出しながら、結果的に現実課題を突破できなかった数々の事例を洗い直した。異変に気づいたのはもう15年以上前だった。小学生の頃は優等生だったのに、中学生になってからは規範的には優等生を保ちつつも現実の成果を出せない生徒がすでに現われていた。15年以上前だから1990年頃には始まっていた。貧困の消滅後の第一世代が中学生になっていたのである。

以後、規範的な優等生を保とうとするタイプの子がカタガタして来る。社会不全から何らかの理由でほど遠いご家庭(おそらくは密室化しているか、序列原理が残存しているご家庭で)のご子息がほとんどであった。

家庭が密室化していれば集団統合原理の序列原理が保たれやすい。また、親御さんが社会的経済的に序列上位のご家庭ではやはり序列原理が暗黙のうちに保たれていることが多い。したがって、序列原理での成功の規範が残存しているため子供さんが規範的な意味での優等生になりやすいと言える。

しかし学校や仲間集団は、そのような私的序列はかえってあだになるような共認集団である。(学歴にせよ遊びにせよ家庭の統合原理は通用しない。)社会の統合原理が序列原理であった頃には、現実課題が共認集団になじまず、序列規範によって突破するのが常であったが、社会の統合原理が共認原理に変わってからは何をするにも共認されることが実現の条件になる。

それがたとえ、社会の収束不全であっても、序列原理が共認されることはないので私権の追及よりも序列の規範の方が先に共認不全に陥るのは必然であった。したがって共認原理に転換できない序列の優等生は能力問題ではなく共認不全によって現実課題の成果が出せなくなった。

そう考えると、90年代に(旧態依然の)道徳教育が強化されても功を奏しなかったことが理解できる。

共認原理の社会で序列原理に執着することの不利益は二つあると思う。一つは、共認原理に転換できないことそのもので、外圧の遮断という生物にとって致命的な閉塞状況をうみだす。もう一つは、ぶら下がり意識の継続である。もうぶら下がるところはないのにぶら下がっていれば劣化するのは当然である。

言い換えれば、閉塞と劣化がセットになって悪循環になっていく。

もちろん子供さんが自ら進んで序列原理を覚えていくのではない。原因は親御さんにある。そして親御さんの方が自分の不全と子供さんの不全を一手に考えるので二重に苦しみ悩むのである。

そこで共認原理という答えを知ればかなり解決するのだが、密室家庭と社会的経済的序列の優位性はそう簡単には手放せないので、転換するという答えよりも親和充足するという目先の答えを選択するのでますます劣化する。ふだんは物分りが良いが何か問題が起こると豹変する親の登場原因である。(それも出来ないとネグレクトへと進攻する。)

正直なところある共通点がある。
「仲間第一なんてくだらない。」という考えを根っこに持っているのである。よほど辛い目にあってきたか現在辛いかだと考える。しかし、そのように考えているから到来する辛さであることに気づく必要がある。

共認原理に転換できれば本来到来数の少ないはずの人工的な悩みを乗り越えれば、その乗り越えたときの旧答えにとらわれ、乗り越えていなければ序列原理の究極の方法である暴力に答えを見出す。

出来ないのは子ばかりではない。私自身にも自戒の意味を込めて言うのだが、人類が数千年にわたって進化を停滞させてきた原因の一つは序列原理だと思う。そして反序列の思想も歴史上いろいろあったがことごとく失敗している。

解決法としてぶら下がりのない先端収束、本源結合というイメージを持つが、それって共認原理のことなのだと思う。
 
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