真猿の集団の最大の特徴は母系集団であるという事です。それは別の見方をすれば雄は必ず集団を移動するという事を表しています。
>親和本能の発達した哺乳類の場合(雌雄分化に基く内雌外雄の集団編成も相まって)、雄の性闘争本能は強化されてゆきますが、雌の性闘争本能は衰弱してゆきます。その結果、若雄では巣離れ本能+性闘争本能>親和本能となって若雄は群れから出てゆく事になります。(2194)
雄は集団から放逐されるのではなく、可能性を求めて別の集団へ移動していくのです。人類の本源集団においても同様に男達は成人すると別の集団へ移籍していきます。これを現代的視点から集団間の争いを避ける為とか近親相姦を避ける為という理由付けがなされることが多いですが、もっとシンプルに闘争本能に刻印された行動様式が別集団、新世界へ飛び出すという事に繋がっているのではないでしょうか?
考えてみれば、新しい集団に入るときに武者震いや気負いのような気持ちになる事があります。それも意識化にある闘争本能の次元から来ているのではないかと思います。
改めて現在の脱集団現象を表す”集団に入ったのではない、社会に出たのだ”(40426)という認識が持つ勢いは巣離れ本能を刺激すると同時により広い外界への適応欠乏を生起させる新概念なのだと捉え直す事ができるのではないでしょうか?
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