暴走する悪徳エリートの所業
102539 日本におけるCIAの諜報活動の一例。
 
槇原賢二 ( 42 大阪 塾講師 ) 05/12/13 PM10 【印刷用へ
>CIAは冷戦終了後は軍事偏重から経済産業情報偏重へと転換。さらに宗教、麻薬、テロ、環境分野への対応の必要も唱えて、現在、世界最大の情報機関として活動している。<(100465)

1947年の設立当初から、CIAは、ソ連をはじめとする共産勢力の拡大防止を第一義の目的としていました。そのため、米ソの冷戦が顕著になりだした1950年代から1960年代終わりまで、日本において、自民党に選挙資金(一説には数百万ドル)などの提供もおこなっていたことが明らかになっています。日本国内の情勢(特に左翼勢力の動向)の情報収集と、共産勢力の防波堤として自民党が保守勢力を維持することに力を貸しました。

ところが、その後のソ連をはじめとする共産勢力の衰退により、その存在意義が失われそうになりました。そのとき、新たに浮上してきたのが、アメリカの経済的衰退からくる他国(特に日本)との貿易摩擦を有利に導くための諜報活動です。

1995年10月15日付けニューヨークタイムズ紙は、日本でのCIAの経済交渉における諜報活動の実態を、以下のように報じました。

>95年春に始まった日米自動車交渉で、米国側のミッキー・カンター通商代表は、定期的にCIAの東京支局長が集めた日本側に関する秘密情報を受け取っていた。CIAは、NSA(国家安全保障局)の電子通信傍受システムを使って、日本の通産省官僚と自動車メーカー幹部の会話を盗聴し、これをワシントンで分析して米国の交渉団に提供した。これでカンター代表らは、トヨタや日産の幹部が通産省にプレッシャーをかけていたことを知ったため、交渉を有利に進めることができた。さらに交渉が最終局面を迎えた6月下旬、米国側代表団の宿泊したスイス・ジュネーブのインターコンチネンタルホテルにCIA要員も同行して、日本側にどこまでプレッシャーをかけられるかの判断材料をカンター代表に提供した。<
 
日本側の情報を収集するのに、CIAは、買収した日本政府内のスパイを使って行っていたということです。その日本人工作員は、日米自動車交渉の始まる前から決着まで、日本代表団の構成メンバーや旅程、通信システムなど様々な情報を流しています。その情報に基づいて、CIAは、電子機器専門家チームに盗聴器を設置させ、最先端の盗聴技術を駆使して、スパイ活動を行いました。

また、1995年1月5日付けの共同通信では、次のような報道もありました。

>CIAは、日本国内に最盛期には百人以上、現在も60人という在外支局としては世界で最大級規模の要員を配置し、自民党や社会党の議員、政府省庁職員、朝鮮総連本部、左翼過激派、商社員らに定期的に報酬を渡して秘密の情報提供者として確保してきたことが、複数のCIA関係筋の証言で明らかになった。<

>政府情報機関では、第一に首相の動向が最大の関心事。CIAは、歴代首相の側近、周辺につねに情報提供者を確保してきた。日米間の貿易交渉をめぐっては、主に通商代表部の要請を受けて、CIAが日本側の交渉態度を探るのが通例。88年6月に決着した牛肉・オレンジ市場開放交渉では、農林水産省の情報提供者から『日本の最終譲歩リスト』 を入手していた、と別の関係筋は証言した。<

>電気通信分野の交渉に関連しても、郵政省の内部やNTT、さらに通産省内部からも情報を得ていたという。日本企業のハイテクの軍事的側面も調査、京セラや大日本印刷、宇宙開発事業団、三菱重工、石川島播磨工業などが調査の対象となった。<

こういった事実に対して、日本の新聞などのマスコミも、外国メディアからの配信という形で報道はしたようです。しかし、自国の不利益になること、しかも非合法な手法が取られていたにもかかわらず、政府や日本のマスコミはさらに深く追求した形跡はありません。

今年の衆議院選挙戦での違和感から、日本国内でもアメリカ→官邸→マスコミという共認支配が顕在化しつつあります。そして、この関係は戦後一貫しており、政府やマスコミのなかでは、上記のような諜報活動さえ、意義を唱えることもしない、当たり前のこととして捉えられているようです。

アメリカは、自国の利益・覇権維持しか考えていないことが、大衆の目に明らかになっても、いくら「日本売り」が続けられても、政府やマスコミからこの関係を変えていくことはできないということです。

この関係に風穴をあける共認形成の場が必要です。

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