古代市場と近代市場
102413 恋愛と芸術と市場の共通項は幻想価値
 
野田雄二 ( 44 大阪 営業 ) 05/12/11 PM01 【印刷用へ
恋愛のどこが幻想かと言えば、命を賭けても良いほど価値があるもの、人生で最も価値がある行為といった辺りであろうか。よく考えるまでも無く、生き物のオスメスが惹き合うのは、本能でありあたりまえのこと。

芸術のどこが幻想かと言えば、これも何か高尚な行為であるかのように思われているところ。絵画や音楽を鑑賞して正直につまらないと言うと、教養のない田舎ものと馬鹿にされてしまう。

市場のどこが幻想かと言えば、必需品ほど安く、贅沢品(生きる上で全く必要ないもの)ほど高価である事。ブランド物=高級品と言う幻想があるから、人々は高くても欲しいと思う。

恋愛も芸術も市場も、人々が求めているのは全て幻想である。自分は何かすばらしいことをしている、高尚なことをしている、高級なものを持っていると言う幻想価値を手に入れることで充足している。

>性幻想を高める為の毛織物やレースをはじめとして、私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想がはびこり、生活全般に亙って快美(快適さや便利さ)を求める快美欠乏が上昇してゆくにつれて、その幻想共認が作り出す価格格差をテコとする市場はどんどん繁殖してゆく。(30709四方勢至氏)

何故、人々は争って幻想を求めたのであろうか。私権圧力下の解脱回路(主にドーパミン回路)が生み出す快美幻想とは一体何なのか。

解脱回路は、本能では生きていけないと言う不全感を克服するために猿時代に発達させた回路。もともとは、スキンシップを中心とする親和充足と性充足が中心である。本来は、過酷な自然の圧力で生きていけない苦しみを仲間同士で癒し合うのが解脱であった。

ところが、私権圧力下においては人類本来の解脱が機能しなくなる。私権圧力とは、誰もが自分の私権拡大を求めて、合い争うことで生まれる圧力であり、回りは全て敵。仲間で苦しみを癒し合う人類本来の解脱は失われる。

しかし、絶えざる私権闘争の中で不全感はどんどん蓄積していく。その不全を和らげる人類本来の解脱が失われた結果、その代償として、快美幻想による解脱が重視されるようになったのであろう。

もともと視覚や触覚などから得られる充足はあったのだろうが、ここで重要なのはやはり幻想と言う部分である。本来、感じる充足以上に幻想化する事で充足度を高めていることである。

そして、その幻想化の中心にあるのが、自分は人よりも良いものを持っていると言う相対優位の充足である。人よりいい女を手に入れる、人より美しい絵画を手に入れる、人より高級な商品を手に入れる。

本源的な解脱が失われたことを敏感に察知して、性を幻想化したのが女であり、芸術を幻想化したのが芸術家であり、商品を幻想化したのが商人である。彼らは幻想価値を提供すると同時に、どんな幻想に高い価値があるのか評価する権限を握ることで、私権を獲得していく。

これらは、私権闘争の時代の、それも、私権闘争の勝者の需要にこたえたものである。高級な幻想価値は勝者で無ければ手に入れることは出来ない。そして、敗者に与えられたのが宗教と言う、死んでから救われるという幻想である。これも極楽に代表されるように死んでから権力者以上の快美欠乏をてにいれられるという幻想である。
 
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136337 幻想化しないと充足できない 06/11/03 AM11

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