潮流4 焦りの適応主体と目先収束
102199 社会不全から秩序収束へ(格付けという新たな秩序)
 
田野健 HP ( 42 東京 監理 ) 05/12/08 AM03 【印刷用へ
>今、まさに必要なのは安心して生きていける社会インフラ=規範の再構築であり、それは共認原理でしか構築できない。急激に高まる人々の収束不全を前に共認社会の構築が急がれている。違和感→絶望感へ雪崩れる前に!101420

今回の構造計算偽造問題を契機にして国土交通省の動きが注目を集めている。注目すべきは官が叩かれ民がカバーしていくという従来の構図が逆転し始めているということである。これは市場原理にまみれた民よりはまだ官の方がましであるという大衆の判断・期待がこの間大きく反転しているのではないか?つまり、秩序収束反転の潮流が起きていることを示す一現象であるともとれる。

例えばこの問題に対して国土交通省は意外に早い対応をしている。
以下の記事は12月4日に新聞掲載された記事である。

>政府は3日、マンションなどの耐震強度偽装問題に関連し、年内に実施する民間の指定確認検査機関の立ち入り調査の結果を踏まえ、国指定の48検査機関の評価をランク付けしたうえ、問題のあるランクの検査機関が審査した全国のマンションなどについては、耐震性の全棟検査を国の責任で実施する方向で検討に入った。
 また、不適切な審査が判明した検査機関に対しては、速やかに指定を取り消す行政処分を行うなど、厳しい対応を取る方針だ。
 政府は従来、一般的な欠陥マンションは業者と居住者間の補償問題として、国が個別のマンションの検査に乗り出すことには慎重だった。
しかし、今回、民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)がマンションなど28棟の偽装を見落としていたことが発覚するなど、民間検査機関の審査事務が十分に機能していない実態が浮き彫りになった。
 このため、国民の不安の広がりを抑えるためには、耐震性検査の費用の全部または一部を負担してでも、マンションなどの安全性を政府が確認する必要があると判断した。問題のある検査機関に対する徹底した調査や厳しい行政処分により、民間による検査制度への信頼性を取り戻す狙いもある。(以上)

この記事から読み取れるのは一つは北側国土交通大臣の指導力である。さらにこの問題に対する国の危機感と国力を注入して法秩序を維持しようとする国家というものの持つ火事場の力である。検査機関を立ち入り調査し、一気にランク付けまで行おうとしている。

もう一つは秩序を維持する上でランク付けという手法が採られたということである。これはすでに医療の世界で先行しており、相次ぐ医療ミスから信頼を回復し医療界全体の一定の秩序を回復する為に採られた手法である。
今回も同様にかつわずか1ヶ月という期間でランク付けを決めようとしている。

ランク付け=社会的信用と捉えるなら、これは新たな共認時代の幕開けとして歓迎すべきことである。ただ、現在のところどのような基準でそれが行われるかは官僚の手の中にある。しかし、必ず近い将来それはみんなの評価と同義なものとして修正されていくだろう。
そして今回の問題の根本原因が行き過ぎた市場原理の中にあるとすれば、そのランク付けとはそこから少しでも抜け出した企業を指し示すものである必要がある。その項目の中に社員の活力度合いや社会活動への貢献度合い、社会空間から与えられている評価等が何らかの物差しになることは提言しておきたい。

逆にこれまで優良企業の目安であった株価や組織の大きさ、成長度合い、利益の拡大等は市場原理から共認原理へ移行する過渡期の現在、返って役に立たない物差しなのかもしれない。


 
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