現代意識潮流を探る
101690 「答えがないので劣化収束」は現代意識潮流を読み解くキー概念
 
山澤貴志 ( 40 鹿児島 ITコンサル ) 05/11/30 AM02 【印刷用へ
>現在全ての企業は、序列社会から共認社会への大転換の渦中に存在しており、どの部門でも課題の未明度が数段階、高くなっている。・・未明課題になればなるほど、成員の課題意識が低くなり、殆ど発言が出てこなくなる

>課題共認(闘争共認)が充分に成立していない会議の場は、親和共認に支配される。闘争共認機能が形成された真猿以前の、原猿状態に後退すると云った方が良いかも知れない。そして、親和空間では・・最も課題意識の低い成員に合わせてゆくことになり、当初の課題(テーマ)がどんどん下方に劣化収束してゆく。

>あるいは、そもそも課題圧力は加えられていても課題共認が充分成立していないので、答えを出せない指揮官が何を云っても、笛吹けど踊らずで、結局、ただの説教会議にズリ落ち、ひたすら退屈で重苦しい場に成り果ててしまう。

以上、101334で岡田さんが指摘しておられる「今日の対面会議が孕む構造的な欠陥」は「会議」だけにとどまらず現在の意識潮流を読み解く上で、かなり重要な視点を提供しているように思われる。会議において現れる諸問題は序列原理から共認原理への転換途上において表出する諸問題の縮図といってもいいくらいだ。上記の会議において表出している意識構造を現代意識潮流全般に当てはめてみると・・・

(1)パラダイム転換は未明課題=答えがない。収束不全で活力減衰(しかも私権活力衰弱で私権課題に向かう活力がない上に、私権制度は残存しているからみんな課題に向かう意識も開花させられていない)

(2)課題(闘争)共認が成立しないが、もはや共認原理で統合するしかない時代。そこで親和的手法へ収束(その場しのぎの親和充足を追い求める、みんなフィーバーはその現れ!)

(3)課題なき親和収束は共認維持そのものを目的化し、誰かを排除することで共認を図ろうとしたり(これが‘いじめ’の社会的意識構造!)、課題そのものをみんなができる課題にズリ下げる=下にあわせる(これが‘ゆとり教育’や‘悪しき平等主義’が蔓延する社会的意識構造!)すなわち‘いじめ’も‘ゆとり’も共認回路が対象を劣化(矮小化あるいは目先化)させた結果であり「誤魔化しの共認充足」である。

(4)しかし、社会関係はこうした「誤魔化しの充足」だけでは統合できない。それどころか、「誤魔化しの共認充足の社会化=福祉バラマキ」の結果「財政破綻・年金破綻」という超難問が発生。

(5)「日本をどうする」という課題圧力は加えられていても課題共認が充分成立していない(団塊の世代は「年金逃げ切り」を待つだけの傍観者)ので、「答えを出せない指揮官(政治家・官僚・マスコミ)が何を云っても、笛吹けど踊らずで、結局、国会はただの説教会議(即ち、アメリカ→力の原理にもとづく「ワンフレーズ」政治)にズリ落ちた。

(6)但し、「力の原理」だけでは庶民は「退屈」なだけで見向きもしないので「ひからびたチーズを出した変人以下の総理大臣」だとか「抵抗勢力と刺客」だとか「郵政民営化は解かり易かった」といった「バラエティ的な脚色」でもって「誤魔化しの充足報道」に仕立ててかろうじて投票率を支えている。つまり「ひたすら退屈で重苦しい」現実を覆い隠す二重、三重の「ズリ落ち、スリカエ」操作が施されている。

「誤魔化しの充足共認収束」と「みせかけの力の原理収束」という一見背反する現象が起こるのは何故か、もうひとつうまく整理できなかったのだが、ふたつともに「答えがないが故の劣化収束のバリエーション」とみなせば、かなりすっきりと理解することができる。「答えがないがゆえに」解脱を本業としてきたメディアは「政治を娯楽に劣化収束させて」とことん「誤魔化しの充足報道」に走っている。私権を貪ってきた政治家は時代を覆すような大転換期であるにも関わらず、「社会統合=政治課題を単なる己の権力闘争に劣化」させ、みせかけの力の原理に収束している。そしてかつては水と油であった二大権力が手を組んでいるという不思議も「大局観を失った劣化回路のなせる仕業」と考えれば納得がいく。

さらには大衆意識全般に目をうつしてみると「遊んでる場合じゃない」という状況認識は正しいとしても、それが「資格勉強やら授業出席率の上昇」にしかなりえなていないというのも明らかに「答えがないから課題を私権課題に矮小化させた=劣化収束」といえる。また「親元収束」も仲間との誤魔化しの充足共認では元気が出ないが故に母親との親和回路へ後退するという「親和共認のさらなる劣化収束」と捉えることができる。おそらく若者の期待封鎖や否定のタブー意識もこうした「答えがないが故の劣化収束」のバリエーションと捉えることは可能なように思われる。(尚、答えがないから目先収束という捉え方よりも、脳回路的比喩である「答えがないから劣化収束」という捉え方の方が、イメージが鮮明になるし、上記のようにあらゆる現象を説明しやすくなる)

このように現代の意識潮流は「劣化収束」が事態を悪化させ更なる「劣化収束」を引き起こすという悪循環ループを描いていることは間違いない。この突破口はどこか?

「問題構造=事実が明らかになれば答え=可能性はそこに見え隠れしている」が前回のなんでや劇場で得た新しい気付きだが、現代意識潮流の基底を流れるものが「答えがないので劣化収束」だということが明らかになったことで、答えにだいぶ接近してきた予感がする。皆さんと引き続き考えてみたいと思う。
 
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101990 省庁の壁を取り払って全国民の目に晒せばよいのでは 匿名希望 05/12/04 AM10

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