本能⇒共認機能⇒観念機能
100681 「共認」可能性の意識
 
中村朋子 ( 54 大阪 教育 ) 05/11/11 PM01 【印刷用へ
原猿から真猿への「進化」の過程は自然外圧の変動にもよるが、種の増殖による生活圏の拡大、移動もあろう。

 他の動物と異なり、猿⇒人類の進化は、自然外圧へのよりいっそうの適応ではなく、むしろ「雨露を凌ぐ」「衣食足りて」という、種々の自然外圧に対する臨機の対応の能力を生み、強化した。「文化」と言えるかもしれない。

 すなわち、移動あるいは生活圏を拡大せねば生存を維持できない、逆にいえば意識しての移動・拡大によって生存を維持、あるいは脅威を去ることが
出来るようになったということである。

 その際遭遇する状況は未知のものであることが多い。その状況への対応には当惑、あるいは試行錯誤による挫折もあったであろう。そのときに探索回路が作動する。
 それはすべての成員に、同時に且つ同様におこるであろうか。それであれば、全滅の可能性もある。種類や程度の差のある対応が発生し、生存を直撃する「認識闘争」がそこで行われる。そしてその最も適切な対応が採り入れられること、すなわち「共認される」ことで、全成員が生存を維持できる。「共認機能」の発現そして「共認」が意識され、有効に働く萌芽である。

 その際に「序列」が生まれる。成員の生存維持のために「高い認識」を示した者が優位に立ち、一方、自身の認識が容れられなかった者はー「共認」「評価」を得られなかった者は「不全」を抱く。その解消・自我損傷忌避が「自我」の発動、その最も安易な手段である「他者否定」である。それが集団離脱・反抗になることもあろうが、それでは自己の生命が危うい。そうすると「観念」のなかでの鬱屈ー不全として蓄積され、観念の中での「解消」を図る。場合により、その「不全」から、より高い「認識」ー観念が生じることもあったかもしれない。真猿の集団が次の状況に移行しようとするとき「古い皮袋」への不全が「共認」され、新たなものを求める方向に集団を動かす。

 「真猿」の段階ではまだ充分意識されず自明の身体機能の一つであった「共認回路」がいわば明確に意識され、つまり「同一視・同化」が意識して行いうるものであることが分かった段階が「人類」ではないか。始原社会においてまず見られるのは、集団組織での食物獲得の行動であり、たとえば、タッシリ・ナジェールやアルタミラ、ラスコーの洞窟壁画に見られる自然観念である。

 人類の歴史はこの「共認」可能性を意識し、機能させた時点から始まるのではないだろうか。「初めに言葉(ロゴス)ありき」はヨハネ福音書のことばであるが、「言葉(ロゴス)」はまさに「共認」のための具であった。

 それゆえにその生存圏は地球全体に広がり得た。

 
 
 

 

 
 
  List
  この記事は 19753 への返信です。
  この記事に対するトラックバックURL  http://www.rui.jp/tb/tb.php/msg_100681
  ※トラックバックは承認制となっています。

[過去の記事へ]
[一覧へ戻る] [新しい記事へ]


◆実現論本文を公開しています。
 実現論 : 序  文
 第一部 : 前  史
 第二部 : 私権時代
 第三部 : 市場時代
 第四部 : 場の転換
 参考文献

 必読記事一覧
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
大転換期の予感と事実の追求
実現論の形成過程
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(1)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(3)
自考のススメ1.未知なる世界への収束と自考(4)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(1)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(2)
自考のススメ2.現代の不整合な世界(問題事象)(3)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(1)
自考のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)
1.これから生き残る企業に求められる能力は?
2.私権圧力と過剰刺激が物欲を肥大させた
3.市場の縮小と根源回帰の大潮流
4.共認回帰による活力の再生→共認収束の大潮流
5.自我と遊びを終息させた’02年の収束不全
6.同類探索の引力が、期応収束を課題収束に上昇させた
7.情報中毒による追求力の異常な低下とその突破口
8.大衆支配のための観念と、観念支配による滅亡の危機
9.新理論が登場してこない理由1 近代観念は共認収束に蓋をする閉塞の元凶となった
10.新理論が登場してこない理由2 専門家は根本追求に向かえない
11.学校教育とマスコミによる徹底した観念支配と、その突破口(否定の論理から実現の論理への転換)
12.理論収束の実現基盤と突破口(必要なのは、実現構造を読み解く史的実現論)
近代思想が招いた市場社会の崩壊の危機
新理論を生み出すのは、専門家ではない普通の生産者
現実に社会を動かしてきた中核勢力
私権時代から共認時代への大転換
市民運動という騙し(社会運動が社会を変えられなかった理由)
民主主義という騙し:民主主義は自我の暴走装置である
統合階級の暴走で失われた40年
大衆に逆行して、偽ニッチの罠に嵌った試験エリートたち
新理論の構築をどう進めてゆくか

『るいネット』は、47年の実績を持つ起業家集団・類グループが管理・運営しています。るいネットワーク事務局(Tel:0120-408-333, E-mail:member@rui.ne.jp