素人による創造
100677 他者との同化を阻害する要素について
 
匿名希望 05/11/11 PM01 【印刷用へ
他者への同化のプロセスを阻害する要素について考えみたい。

可能性としては、つぎの3つが考えられる。

(1)自我
(2)経験不足
(3)事象分析のための認識の欠如

まず、自我について考えると、これは簡単にいって自己正当化(自分が正しい)であり、そこからさらに他者否定につながる。

「他者」が自然現象である場合でさえ、認識力の低い人間は自己正当化を試みる。「くそっ、雨が降ったために洗濯物が干せない!くそくそ」・・・といった例のように。

人間の場合は、自然現象よりもはるかに否定しすいので、自我は強力に起動される。

さて、このような「自分が正しい思考」は事実、たとえば、相手がどのように考えているか、とか感じているかとかいったことを捨象するため、当然同化のプロセスは阻害される。

つぎに、経験不足であるが、これは対象を理解するのにそもそも物理的な時間がかかるということであり、基本的には「時間が問題を解決してくれる」問題である。この点で、(1)自我と(3)事象分析のための認識の欠如と比べて、阻害要素としての問題性はきわめて低い。

つぎに、事象分析のための認識の欠如であるが、これは実体験を通して得られる事象(他者)からのフィードバック情報を構造化できない、つまり、(1)自我を消滅させ、経験を積んでも、そこからのフィードバック情報を構造化できないということである。

通常、自我を消滅させ、事象としての他者と向き合えば、試行錯誤の中で対象にたいしてある程度の理解・認識が形成され、他者にたいする同化のプロセスを起動させることができるが、それをさらに有効なものにするには、「構造化のツール」が不可欠である。

きわめて高い認識力をもつ人間は、これを自己の内部で行うことができる
が、そうでない人間(大多数)にとってはこれは重要な点である。

この3つのうち、もっとも有害な要素は言うまでもなく(1)の自我である。

自我は他者(事実)と関係なしに自分で勝手に起動させ、充足させることができるため、外世界とのすべてのつながりが捨象されてしまう。これはきわめて簡便に実現することのできる「気持ちのいい空間」であるため、人間は容易にその世界にわが身を没してしまう傾向がある。

なぜ自我を消滅させることが、人類の生存確率、および生存の質を高めることにつながっているにもかかわらず、それが進化の過程で淘汰されず、むしろきわめて強力な阻害要素として残っているのか。この疑問にたいする答えについてはまたつぎの機会に考えてみたい。


 
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