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    ヘ.集団を超えた社会をどう統合し直すか?    
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 だが、それだけでは不充分である。なぜなら、人類が今ぶつかっているのは、集団を超えた地平にある社会を、どう統合し直すのかという課題だからである。しかし、本源集団の再生と同様に、その実現基盤=私権統合に代わって本源共認によって社会を統合する為の基盤も、既に整っている。

 
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   私権の強制圧力の衰弱は、何よりもまず、私権圧力から抜け出た有閑層を激増させた。今や、子供、学生、主婦、老人など有閑層は優に人口の6割を超えている(注:貧困の時代は子供も主婦も老人も、決して有閑層ではなかった)。かれら有閑層こそ、本源共認によって社会を統合し直してゆく(=社会統合という仕事を担ってゆく)中心勢力なのである。彼ら有閑層は、私権の強制圧力から遠い位置にいる分だけ、本源収束が強くなる。例えば本源集団では、皆=仲間の共認圧力が絶対化され、又それが最大の活力源にもなっているが、現在、子供の世界では、既に仲間圧力が絶対化しており、自我は封印されてゆきつつある(この仲間圧力の絶対化こそ、旧世代が問題視するところの「いじめ」が、深刻化してきた直接原因である)。しかも、今や20代の若者の大半が、その様な空間の中で育ってきている。だから、彼らは「皆、仲良し」であろうと努める。  
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   ただそれは、一見、本源的で良いことの様に見えるが、大きな問題が残っている。彼らは、何よりも仲間外れにされることを怖れ、相手の心に踏み込んで相手を傷つけることを怖れて、表層だけの「仲良し」を演じ続けている。それは、私権の強制圧力が衰弱しても、夫々に別の家庭で生まれ育ち、受験や恋愛に駆り立てられるという現実が残存しているからである。つまり、既に私権収束は生命力を失ったにもかかわらず、私婚や私権の制度はそのまま残存しており、そうである限り、警戒心を解くことが出来ず、本当に心を開くことが出来ないのである。既に生命力を失って形骸化した私婚・私権制度によって、無理矢理、受験や就職や結婚に向き合わされるこの状態は、彼らに深刻な精神疲労と肉体疲労を負荷させているが、その得体の知れない負荷は若者だけではなく、むしろ全ての中・高年により重くのしかかっている。  
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   '70年以降ここまでの、私権圧力の衰弱⇒本源収束の潮流を堰き止めているものの正体は明らかだろう。既に生命力を失った私婚制度・私権制度という、制度の堰である。もっとも、未だに誰も、それを私婚・私権の行き詰まりという形で、明確には意識していない。しかし、人々は直観的に、常識や制度の行き詰まりを感じ取っている。そして、社会が行き詰まるにつれて人々は閉塞感を強め、今や大半の人が「この社会を変える必要」を認めるに至った。こうして本源収束の潮流は遂に、社会統合へと収束し始めた。  
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   それは、学生の就職意識の中にも、見て取れる。彼らは、人々の役に立つ、その手応えが感じられる仕事を強く求めており、しかもそれは、官僚や学者やマスコミ、あるいは大企業等、より社会統合に近い(社会に影響を及ぼし得る)業種への社会統合志向となって現れている。若者が、よりやりがいのある、より大きい仕事が出来る場を求めるのは、正しい。だが、与えられた既存の枠組みの中で選んでいたのでは、意味がない。枠組みを超えた場を探すか、あるいは自分(たち)で起業すべきだろう。  
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   既に述べた様に、事態は学者や官僚やマスコミなどが唱えてきた小手先の改良策で解決できるような次元を、遥かに超えている。それどころか、私権統合の終焉とは、彼ら統合者たちが、もはやこの社会を統合する資格を失ったという事に他ならない。むしろ、返済不能な国家赤字(借金)=国家破綻が象徴している様に、彼らが既に統合不能に陥ったからこそ、こんな事態を迎えたのである。そんな私権統合の枠組みを超えない限り、この事態を解決することは出来ない。それどころか、破滅が待ち受けているだけである。  
     
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