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    ロ.肉体破壊・精神破壊と市場の拡大停止    
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   いま市場は行き詰まり、多くの経営者が先を読めないでいる。経営者だけではない。政治家も、官僚も、学者も、マスコミも、これまでこの社会を統合する役割を担ってきた者たちの誰一人として、明確な変革の方向を打ち出せないでいる。なぜか?それは時代が、これまで彼らのやってきた小手先の改革で済むようなレベルを遥かに超えた、根本的な変革を必要としているからである。  
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   市場の拡大は、大量の人工物質を生み出して環境を破壊してきたが、それらの人工物質は同時に人類の肉体をも破壊する。例えば、ガンの急増は、体内に摂取された人工物質による突然変異が原因である疑いが強い。更に、ホルモン様の人工物質によって引き起こされる精子絶滅の危険性に至っては、文字通り人類絶滅の危機である。  
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   だが、肉体破壊よりももっと致命的なのは、精神破壊である。市場の拡大によって、闘争の場(職場)と生殖の場(家庭)が分断されてしまったが、これは実は、生物史上かつて無かった極めて異常な状態である。全ての生物集団は、闘争過程と生殖過程を包摂した全的な集団として存在しており、全ての生物はその中で進化してきた。もちろん人類も、原始時代からずっとそれを踏襲し、闘争と生殖を包摂した全的な集団の中で、今日の人類に進化してきたのである。原始時代だけでなく農業生産の時代もそうであって、例えば農家は、今日の家庭の様な単なる生殖と消費だけの場ではなく、それ自体が一個の生産体であり、従ってそこには、自然圧力をはじめ様々な闘争圧力が働いていた。だから子供たちは、働いている両親の背中を見ているだけで(学校など無くても)、健全に育っていったのである。だが、市場拡大によって職場と家庭が分断され、かつ家庭が絶対不可侵の聖域となった(例えば、よく「企業が悪い」「学校が悪い」と糾弾されるが、「家庭が悪い」と糾弾されることは殆どない)ことによって、家庭には何の圧力も働かなくなり、その結果、家庭は子供を教育する資質をほぼ全面的に喪ってしまった。サラリーマン家庭が孕む教育不能という問題の深刻さは、当分の間は、まだ農家育ちの祖父母や両親が居たお陰で、顕在化してこなかった。しかし、農村から都市への大移動がほぼ終わった'70年以降、その致命的な欠陥が徐々に露呈され始め、とりわけ老人と共に農家時代の諸規範が家庭から消え去った'90年以降、若者たちの間に心の欠陥児が急増し、子供の精神破壊が恐ろしいスピードで進行中である。  
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   これら環境破壊・肉体破壊・精神破壊は、その何れもが人類にとって致命的な問題であり、かつその何れもがもはや猶予ならない局面を迎えている。言うまでもなくこれらの問題は、小手先の対策で解決する様な問題ではない。この問題を解決する為には、まず徹底した原因分析が必要である。だが、人類滅亡の危機を真正面から捉え、真剣にその原因を分析し、突破口を提示しようとしている人はごく少数である。  
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   そうしている間にも、当の市場自身の崩壊の危機が迫っている。'70年、貧困の消滅によって、人々はこれ以上の物的な充足を得る為にもっと働こうとはしなくなり、物的欠乏が飽和限界に達したことによって、市場は拡大を停止するしかなくなった。にも拘わらず、この社会を差配する統合者(政・官・財および学者・マスコミ)たちは、自分たちの身分を守る為に市場の拡大を続行し、不足する需要を補うべく大量の国債を発行して、七〇〇兆を超える財政赤字(自治体を含む)を累積させてきた。その結果、増刷された紙幣がダブつき、経済は必然的にバブル化する。既に世界中の経済は、アメリカやヨーロッパだけではなく、ロシア、中国までもがバブル化してしまっている。(注:アメリカの株価は、'75〜'82年平均に対して、物価調整値で見ても、6倍以上にバブル化している。)今や市場は、バブル化することによって見かけの成長を維持するしかない袋小路に嵌まり込んでしまったのである。  
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   だが、真っ先に日本が経験した様に、バブルは必ず崩壊する。一国バブルの日本の株価は、5倍で崩壊した。一極集中のアメリカのバブルも、7倍に達するまでに崩壊するだろう。株価の世界同時大暴落から大恐慌への道は、もはや(市場拡大を止めない限り)避けられない所まで来ている。そして、このままでは、大恐慌に襲われた各国政府が、従来以上の天文学的な額の国債を発行することは、目に見えている。その結果、遂に国債の大暴落が始まるだろう。その時、市場は完全に崩壊する。これが、世界の大破局である。  
     
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