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    ホ.性権力と占有権力のせめぎ合い    
020501    
   ここで、二つの支配階級が存在するのは、私権の強制圧力を主圧力とする占有権力の統合力が、絶対的な自己矛盾を孕んでいるからである。望み通りに統合が実現され、身分が盤石なものになると、彼ら自身には生存圧力が働かなくなり、忽ち生存課題が捨象されて解脱収束を強めてゆく。課題(≒闘争)捨象して解脱(≒性)収束した以上、闘争過程から生まれた占有権力より解脱過程から生まれる性権力の方が上位になってゆくのは、必然である。かくして、闘争捨象⇒解脱収束した男(=占有権力)の目的の位置に女(性的商品価値)が鎮座し、占有権力は性権力の下に従属するものとなる。逆に言えば、女(性権力)にとって男(占有権力)は、どうにでも懐柔できる下僕となる。だから、性権力 > 占有権力というパラダイムは、女の自我を肥大させ、依存収束を依存要求(それは依存捨象の自我収束に他ならない)に換骨奪胎して終う。そして、半ば無意識に男を懐柔し、操縦し、支配する様になる。現に5千年前、メソポタミアに初めて都市国家を建設したシュメール人は、その数百年後には早くも「山の神(=女房)」に抑えられてどうすることもできない男たちの嘆きの詩を石碑に刻んでいる。  
020502    
   占有権力は闘い取って得られる男原理の権力であり、性権力は男を懐柔することによって得られる女原理の権力であるが、両者の力関係は、生存圧力→私権圧力の強さによって大きく入れ替わる。私権圧力が絶対で私権の確保が困難な時には、女・子供は私権(家父長権)に従わざるを得ず、性の自由と性権力は封鎖される。しかし、身分によって私権の確保が保証された支配階級の内部では、彼らが解脱収束してゆくことによって、しばしば占有権力よりも性権力の方が強くなる。そして、現代の様に貧困が消滅し私権の確保が容易になると、占有力(男原理)よりも性権力(女原理)の方が強くなり、占有権力と男原理は去勢されて終う。  
020503    
   問題は、何れにしても本源集団が解体されたままであり、従って性が私的な選択に任されるというパラダイムは、不変だということである。確かに、生存圧力や闘争圧力が強い時には、女自身の性の自由は封鎖されてきた。初期掠奪集団では、男たちの武力によって女の性の自由は粉砕されたし、中世封建社会では、諸国が群立する緊張圧力の下、統合力を高める必要から不倫のタブーetc.宗教や規範の確立→身分制の確立が進み、女自身の性の自由は身分制に連なる家父長権(大きくは私権統合力)によって封鎖された。しかし、性=婚姻の相手を定めた集団規範が形成されない限り、たとえ女自身の性の自由を封鎖しても、性が私的な選択に任されるというパラダイムは変わっていない。このパラダイムの下では、性権力を女自身が持つか、家父長が持つかの違いがあるだけで、性が私的な選択に任されている以上、女に属する性権力(女の性的商品価値や女側の選択権)の共認が時と共に強まり、基底的な支配共認として絶対化されてゆくという流れは変わらない。  
020504    
   事実、掠奪集団も少し安定すると(まして第二世代の息子や娘たちの代になれば)、忽ち男の解脱収束が強まり、女自身の性権力が形成され始める。そして、それ(性の自由や選択権や商品価値)は、掠奪集団→都市国家(例えばメソポタミアのシュメール人やユダヤ人)→古代帝国(例えばローマ人)を通じて強くなってゆく。封建社会では、規範(or 宗教)の確立etc.によって女自身の性の自由は封鎖されたが、しかし私婚(私的な選択に任された、私的な婚姻関係)の共認は規範の確立によってより強くなっており、従って性権(性的商品価値や選択権)は娘から家父長に移っただけで、性的商品価値や私的な選択権の共認は、むしろ強化されている。従って、これら私権規範によって私的な男女解脱共認はより強化され、それを基盤とする私権(占有権)の共認も、より絶対化されている。要するに、性権力を核とする男女解脱共認と占有権の共認は、掠奪時代・古代・中世を通じて一貫して強化され、絶対化されてきたのである。  
020505    
   そして、外圧が低下し、男たちが闘争捨象⇒解脱収束する度に、性権力が強化され、強化された性権力に基づく女主導の男女解脱共認が、社会の最基底の支配共認としてはびこっていった。それは、貴族をはじめ支配階級全般に及び、更に都市住民全般に及んでゆく。そして、いったん女原理の支配共認が芽生えると、それが一段と闘争捨象⇒解脱収束を強めさせるので、ますます女原理の支配共認が強くなってゆき、その悪循環で(破滅的な闘争圧力でも働かない限り)もはや歯止めが効かなくなる。事実、近世から現代までは一直線に、かつ止まる所を知らず性権力とその支配共認が肥大してゆく過程だったのである。  
020506    
   しかし、この支配共認は極めて見え難い。男たちは、この上なく高価な性を手に入れる為に自ら進んで女に迎合し、納得づくで女の要求を受け入れ、それを共認しているからである。だが、本当に共認しているのなら、後で嘆いたりしない。そもそも、男は男同士の闘いに勝つ事によって女を獲得してきた動物であり、女の思し召し(好き嫌い)に迎合共認すること自体が、男の本意に反している。男は、性を武器とする女の性封鎖によって否応無く、恐ろしく高価な性的商品価値を共認させられ、その意に反して女の私的選択権を共認させられて終ったのであり、その結果が際限のない性権力とその支配共認の肥大化である。  
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   要するに誰もが当然のことと思い込んでいる好き嫌いや恋愛や男女の私的関係は、私権時代に固有の性的自我が作り出したものであり、そして反集団に根差すこの性的自我こそ、集団や国家を破壊してゆく元凶である。しかもこの悪魔は、常に美しい幻想で身を包み、その正体が極めて見え難い。だが、私権時代の男たちは、そうとも知らずに自らも性的自我(独占欲)の塊りと化して女の尻を追いかけまわしてきた(しかも頭では女を軽視し続けながら)。その結果が、今日の女支配=性権力支配を招いたのである。  
020508    
   もちろん、これらは全てパンドラの箱を開け、性闘争を顕現させて終った私権時代のみに固有の現象であって、集団規範によって性が律せられ、女たちが依存収束⇒首雄収束していた五〇〇万年に亙る人類本来の男女の在り様からは、著しく逸脱して終っており、その逸脱=性権力支配が、やがて人類を滅亡の淵に追い込むことになる。  
     
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