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    序2.私権時代から共認時代への大転換    
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  【現実世界を動かしている力の構造】

市場社会の崩壊と大転換の時が迫っているが、この危機を乗り越え新しい社会を実現するためには、まず、この現実世界を動かしている力の構造を知らなければならない。
従って、まずはじめに、現実世界の力の構造とその現在の状態を明らかにしておこう。

私有制度に基づく社会では、誰もが、私権(地位や財産)の獲得を目指して争う。教科書に載っているいわゆる文明社会とは、誰もが私権(の獲得)に収束することによって統合された、私権統合の社会に他ならない。(※収束=統合とは:リンク
当然、そこでは私権の獲得に必要な力がものを言うことになり、力の弱い者は力の強いものに従うしかなくなる。力の原理である。

私権社会は、このような力の原理によって統合されている。
その力とは、武力闘争の社会では武力であり、市場競争の社会では資力である。それらの力は、社会を統合する統合力であると同時に、闘争相手を倒す制覇力でもある。
この力を体現した勢力が、武装勢力や金融勢力であり、これら中核勢力がこれまでの社会を動かしてきた。
 
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  では、これら中核勢力はどのようにして社会を動かしてきたのか、その支配構造を古代と近代のそれぞれについて少し具体的に見てみよう。

古代初期、王国が誕生した段階では、武装勢力を率いてきた部族長が王となり、将たちが貴族となって、国を治めていた。
ただし、部族長は、もともと祭祀を司る長でもあったが、王国が誕生する前後に、祭事は神官(後に教団)に委ねられてゆく。次に、国の規模が大きくなると、政治も官僚に委ねられていった。
そして、教団勢力が大衆の共認支配を担い、官僚勢力が大衆の法制支配を担うことによって、現実に社会を動かすと共に、その権力をどんどん拡大していった。
その結果、王は、形の上では最高権力者だが、それは表向きだけで、実権は官僚や教団が握って好きなように社会を動かすようになり、王は彼らが進める彼らに都合のよい施策に、お墨付きを与えるだけの存在にまで形骸化する。要するに、名前だけのお飾りである(日本の天皇がその典型)。
 
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  それに対して、市場社会では、金貸しが、官僚を支配し、教団に変わって登場した学者とマスコミを支配し、そして官僚機構が大衆を法制支配し、教宣機関(大学・マスコミ)が大衆を共認支配している。
こうして見ると、古代と近代では、社会統合と大衆支配の仕組みは、基本的にはまったく同じであり、ただ統合力=制覇力が、武力から資力に変わっただけである。

なお、武装勢力は、国家が成立するまでの戦争状態では序列の頂点にいるが、国家が確立すると官僚に実権が移る。その後も戦争状態よりも平和な期間の方が長いので、官僚が実権を握り続ける。そうなれば、再度、戦争状態になっても官僚支配は変わらず、武装勢力は官僚の下orよくて横並びの位置に止まる。
それに対して、金融勢力が君臨する市場では、市場競争が恒常的に存在している。従って、市場社会では、金融勢力が常に頂点に君臨し続ける。しかし、金貸しは決して社会の表には出てこない。その結果、古代より近代の方が、支配勢力の力の蓄積はより巨大なものとなり、かつ、表からは見え難くなっている。
 
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  ロスチャイルドやロックフェラーに代表される金融勢力=金貸しは、近世以来、配下に諜報・工作機関を持ち、目星をつけた政治家や官僚や学者を、一般的には利益誘導によって、勝負所では買収と脅迫を使い分けながら、支配し続けてきた。その力は、王室さえも操れるほどである。
マスコミにいたっては、利益誘導や脅迫による支配だけではなく、金貸しが直接的に経営し支配しているケースが多い。 要するに、力の頂点に君臨する金貸しが、政治家や官僚や学者やマスコミ等の統合階級を支配し、その統合階級が大衆を法制支配+共認支配しているというのが、現代社会の基本構造である。
 
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  【力の原理から共認原理への大転換】

この世界を変えるには、現実を動かしている力の構造を解明するだけではなく、さらに、その力の構造を根底から突き破ってゆくような実現基盤が、発掘され提示されなければならない。
その実現基盤は、何か?

力の原理が働くには、一つの大きな前提条件がある。それは貧困(飢餓)の圧力である。貧困の圧力が働いているからこそ、誰もが私権に収束し、力の原理が貫徹される。
実際、古代〜近代を貫いて、紛れも無く人類は常に貧困の圧力に晒されてきた。だからこそ、力の原理が支配する私権社会になったのである。
 
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  ところが’70年頃、先進国では物的な豊かさがほぼ実現され、貧困の圧力が消滅してゆく。その先頭に立つことになったのが、日本である。

貧困が消滅すると、私権を獲得しようとする欲求=私権欠乏が衰弱してゆく。
従って、物的欠乏も衰弱し、市場は縮小せざるを得なくなる。
また、私権圧力が衰弱すると、誰も必死に働こうとはしなくなり、全般的に活力が衰弱し、指揮系統も機能しなくなってゆく。
この私権の衰弱を象徴しているのが、労組の衰退である。実際、賃上げを主要な目的としてきた労働組合は、’70年、豊かさが実現するやいなやたちまち衰弱していった。その原因が、私権圧力の衰弱にあることは明白だろう。
しかし、それは同時に、私権欠乏に基づく、統合階級に対する監視圧力をも衰弱させることになり、その後の(特に’90年以降の)統合階級の暴走とその結果としての格差の拡大を許す原因ともなっている。
こうして、豊かさが実現されたがゆえに(私権の監視圧力が衰弱し)、格差が拡大するという、分かり難い社会が出来てしまったわけである。
 
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  貧困の圧力に基づく、私権を獲得しなければ生きていけないという否も応もない強制圧力=私権圧力の衰弱とは、力の原理の衰弱に他ならない。
力の原理が衰弱していけば、人々が、その強制から脱して、人類本来の共認原理に回帰してゆくのは必然である。(※共認原理とは:リンク
かくして人々は、’70年以降、最も深い潜在思念の地平で、次々と私権収束から脱して共認収束を強めていった。
この共認収束の潮流は、半世紀以上は続く大潮流であり、現在は転換の途上であるが、すでに10年以上前から、大多数の人々にとって、周りの期待に応える充足こそが、(私権充足に代わる)最大の活力源になっており、いまやこの期応充足の土壌から生み出された課題収束が、最先端の意識潮流として、顕現している。
さらには、このような共認収束の大潮流の中から、共認原理に則った共同体を志向する企業も次々と生まれてくるようになった。
 
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  つまり、この40年の間に、人々は、もっとも深い潜在思念の地平で、私権収束から共認収束への大転換を成し遂げたのである。
それは、社会の根底的な統合原理が、私権原理から共認原理へと転換したことを意味する。

物的な豊かさが実現された以上、私権収束⇒私権統合の社会が終焉し、共認収束⇒共認統合の社会、すなわち、人々が、状況を共認し、課題を共認し、役割や規範を共認し、それらの共認内容に収束することによって統合される社会に移行してゆくのは必然である。
現在の、意識潮流の先に人々が求めているものも、間違いなく共認社会(古い言葉で言えば、共同体社会)であると言えるだろう。
 
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  【必要なのは地に足をつけた共同体企業の建設】

共同体社会というと、「社会」の方に目が向かい勝ちだが、重要なのは共同体社会の構成単位=原点となる、集団=企業である。
普通の人にとって、もっとも身近な現実の場は職場である。そこには常に大きな圧力が加わっており、従って、誰もがエネルギーの大半をそこで費やしている。従って、現実を改革したいのなら、まず己の現実の職場を改革すべく尽力すべきだろう。
現実に強い圧力が加わっている職場では何も言えない者が、直接には己に何の圧力も加えてこない「社会」に向かって何を主張しても、それは逃避行為でしかない。当然そんな主張は、すべて偽物である。
本当に社会を良くしたいのなら、まず、もっとも身近な現実の場である職場をどうすれば改善できるのかを提示し、その上で、社会をどうするかを提示すべきだろう。
現実の職場を何一つ改革できない、ただの口舌の徒に、社会を語る資格はない。
 
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  今必要なのは、遠く離れた抽象的な「社会」ではなく、現実に密着した生活の拠点たる職場を共同体に作りかえること、つまり、企業の共同体化である。この企業の共同体化から、地に足をつけた新しい共同体社会の構築が、着実に進行してゆく。
統合階級が牛耳る上辺の「社会」がどれほど迷走しようとも、現実の地に共同体を建設することは可能であり、むしろ社会が崩壊に向かっているとすれば、なおさら共同体の建設こそが崩壊を突き抜けて新しい社会を実現してゆく唯一の突破口になるはずである。

すでに、私権原理から共認原理への転換に伴って、共同体を志向する企業が、次々と生まれてきている。それに、貧困が消滅して私権圧力が衰弱し始めた40年前に、すでに、共同体・類グループが登場しており、企業を共同体化する上で必要な様々な成功事例や方法論やそれを支える新しい認識群が蓄積されている。
それを応用すれば、割と簡単に企業を共同体化することができるはずである。

すでに、社会の統合原理は、私権原理から共認原理に転換した。それに伴って、企業も共同体に転換してゆく時代に入ったのである。

それでは、共同体社会を実現してゆくにあたって、まず、これまでの社会運動はなぜ社会を変えられなかったのか、簡単に総括しておこう。
 
     
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